追記:(2019年6月7日)
現地時間6月6日、11件の性犯罪の容疑がかけられているR.ケリーが裁判所に出廷し、無罪を主張した。裁判所の前に集まった報道陣に対しては無言を貫き、その場を後にした。次の出廷は6月26日を予定している。
R.ケリーが「11件の性犯罪」で起訴される
米シカゴのクック郡の検察は、11件の性犯罪疑惑で大物R&BシンガーのR.ケリーを新たに起訴した。今回の容疑が2019年2月の起訴と関連するものかどうかは、明らかになっていない。
【R.ケリーの性犯罪】
2019年1月、ケリーによる長年の性犯罪を告発したドキュメンタリー番組『Surviving R. Kelly(サバイビング・R.ケリー)』が放送され、それをきっかけに警察が捜査を開始。
1990年代から約10年間にわたり、性的暴行・性的虐待を受けていたとして、3人の未成年を含む4人の女性がケリーを告発。2月初旬に、裁判所が10件の性犯罪の容疑で逮捕状を請求し、ケリーは逮捕された。しかし、留置所に滞在したのはわずか数日。無罪を主張するケリーは、1億円以上の保釈金を支払い2月25日に釈放された。
今回の11件の起訴内容は、4件の加重の性的暴行、2件の強姦、2件の加重の性的虐待、そして13歳~16歳に対する加重の性的虐待が3件。2009年5月から2010年1月までに起きた出来事だったといい、被害者は当時13歳から16歳の間の未成年だった。
この事件で、ケリーは被害者女性に対してオーラルセックスをするよう強制または脅迫したと検察は訴えている。
4件の加重の性的暴行の罪で有罪になった場合、ケリーはこれまでで最も重い、最大30年間の禁固刑を言い渡される可能性がある。2月の起訴状では、最大で7年の禁固刑に問われていた。新たな起訴を受けて、ケリーは現地時間6月6日に裁判所に出廷するよう命じられている。
ケリーの弁護人であるスティーヴ・グリーンバーグは、自身のツイッターに「ケリーは新しい容疑で起訴されていない。同じ被害者と訴える者によって、すでに存在した訴訟が再び訴えられた。何も変わらない」と発言している。
現段階では、全米で効力を持つ連邦犯罪には問われていないケリーだが、近いうちに「深刻な連邦犯罪に問われるだろう」と、前回の裁判で被害者の弁護を担当したマイケル・アヴェナッティは米AP通信に話している。(フロントロウ編集部)