女性キャストの必要性
ウィル・スミスが青い肌のジーニーを演じるディズニーの実写版『アラジン』に登場したダリア。
ナシム・ペドラド演じるダリアは、ジャスミン姫の親友であり侍女。王族に仕える侍女として、幼いころからジャスミン姫を知る親友にして、不満を抱えるジャスミン姫を受け止める存在として描かれたダリアは、アニメ映画には存在しない新たなキャラクター。
このキャラクターが、『アラジン』のオリジナルストーリーのベースとなる「男性に助けてもらわなければ自由になれない」という古い考えを覆すために、重要な役割を果たしていた。そんなダリアの役回りについて、ジャスミン姫を演じたナオミ・スコットが米The Hollywood Reporterに話した。
ジャスミン姫にとってダリアは唯一の友達であり、オリジナル映画で描かれるジャスミン姫とトラのラジャーに近い関係性で描かれる。
そんな役柄をダリアに置き換えたことについて、ナオミは「今まで気がつかなかったんだけど、オリジナルに登場する女性キャラクターはジャスミン姫しかいないの。おかしくない?」と、『アラジン』の登場人物がジャスミン姫以外すべて男性キャラクターだったことを指摘。
そのうえで、「ダリアはこの映画でジャスミン姫以外で唯一の女性だから、とても重要なキャラクターなの。ダリアは侍女かもしれないけれど、ジャスミン姫とは親友同士。一緒に育ってきたからその絆はとても強いの。だから、映画を見る人には、ジャスミンとダリアの関係を見て、『私もこんな友人がほしい』とか『私たちもあの状況になったらああする』と思ってほしい。アニメには(女性同士の友情が)描かれていなかったから」と、オリジナルのストーリーに“女性同士の友情”が加えられたことへの気持ちを口にした。
さらにナオミは、ディズニーの名作が実写化されるにあたり、良い意味でストーリーを“今風”にしたことにも感心しているようで、「ディズニーは、時代に合わせて新しいプリンセス像を作り出すのがすごいと思う。アニメから実写になるにあたり、キャラクターをより人間らしくするところが大好きなの」と発言。
「女性キャラクターを演じることはリアルな人になることでもある。それでね、ジャスミン姫って強くて陽気で、同時に失敗するし感情的になる。彼女はたくさんの側面がある女性で、こういう女性ってひとつに定められる人じゃないの。映画では、恋に落ちて結婚するっている目的とは正反対の様々な感情が見られると思う」と、より現代的に生まれ変わった実写版映画『アラジン』への気持ちを明らかにした。(フロントロウ編集部)