事前に知らされていた?いない?
ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデなどの人気アーティストのマネージャーとして知られるスクーター・ブラウンの会社イサカ・ホールディングスLCC.が、テイラー・スウィフトが2018年まで契約を結んでいたビッグマシン・レコードを約325億円で買収した。
これを受けて、テイラーが自身のTumblrを更新して、スクーターやビッグマシン・レコードを激しく非難する声明文を公開。テイラーは声明文のなかで、この買収計画を事前に知らされていなかったことや、スクーターから何年間も嫌がらせを受けていたことを暴露。
ジャスティン・ビーバーをはじめとしたセレブが反応したこの騒動は、テイラーの父スコット・スウィフトを巻き込む事態に。
テイラーの声明が公開された直後に米TMZは、テイラーの父スコットがビッグマシン・レコードの株主であり取締役員であると報じ、そのため、スコットはテイラーが“知らなかった”と主張するスクーターの買収計画を少なくとも1週間前には知っていたと伝えた。
これに対してテイラーの広報担当は米Peopleに、「スコット・スウィフトが役員だったという事実は現在も過去もございません」と完全否定。さらに、「6月25日に電話による株主総会がありましたが、厳重な秘密保持契約で、すべての株主はペナルティを犯すリスクのある話し合いが禁止されたため、スコット・スウィフトは参加しませんでした」と話し、その理由を「テイラーの父親が電話会議に参加しなかったのは、自分の娘に関する情報を与えたくなかったから」と、話した。
また、「テイラーは朝起きて、スコット・ボルチェッタからの連絡をチェックする前に、ネットでこのニュースを発見した。彼は事前の電話もしなかった」と、テイラーが今回の騒動を事前に知らされてなかったことを再度主張した。
ちなみにテイラーの広報は、父スコットがビッグマシン・レコードの役員であることを否定したが、株主であることは否定していない。
テイラーは“知っていた”
テイラー側の主張を受けて、ボルチェッタCEOが6月30日付でビッグマシン・レコードの公式HPに「真実を語る時が来た…」という見出しの声明文を掲載。
「今日テイラーが投稿したポストについて、けじめをつける時が来た」という文から始まった文章では、まず、テイラーの父がビッグマシン・レコードの株主であることを改めて明記した。
ボルチェッタCEOは、6月28日の電話会議で過半数の株主が可決して決定した買収計画を、報道される前日にあたる6月29日(土)の午前9時に、テイラーにメールしたと主張。
その後、6月25日の時点で、28日の電話会議の内容がイサカ・ホールディングスLCC,との契約についてであることがテイラーの父を含む全株主に知らされていたことや、28日の会議にテイラーのマネジメント会社である13マネジメントの代表フランク・ベルが参加していたこと、13マネジメントの弁護士ジェイ・シャウディーズがテイラーの父スコットの代理として出席していたことを明かし、「私からのメールを見ていない可能性はある」としながらも、“知らなかった”わけがないとテイラーの訴えを否定した。
双方の主張に食い違い
さらにボルチェッタCEOは、テイラーが批判声明にて語った「何年もの間、私は、自分の作品の権利を持てないかと頼み、 嘆願してきました。しかし、私が代わりに得たのは、新作を出すごとに1つのアルバムを取り返せるよう、ビッグマシン・レコードと再契約し直す機会でした」という主張も真向から否定した。
ボルチェッタCEOは、ビッグマシン・レコードがテイラーにとどまってほしいと再交渉した際の契約内容が書かれたとする書類を公開。
「この契約を結べば、テイラー・スウィフトの作品すべてが100%すぐさま彼女に移るはずでした」と語り、そのうえでテイラーが別のレコード会社との契約を求めたと続け、「テイラーには自分の音源だけでなく、すべてのビデオ、写真といった、自分のキャリアにかかわるすべてのものを所有するチャンスがありました。しかし彼女は(自分のレーベルを)去るという選択をしたのです」と主張した。
加えて、テイラーの声明文にある「スクーター・ブラウンという名前が出た時は、私は必ず泣いていたか、泣くのをこらえていた」という一文について、「まったく聞いたこともない」と真っ向から否定。
過去にテイラーとジャスティンの間に確執があったことは認めるも、テイラーはボルチェッタがスクーターと仲が良いことを知っていたとし、ボルチェッタの見解では、スクーターはテイラーにいつも好意的だったとスクーターを擁護した。
双方の主張が真っ向から対立しているこの騒動。幕引きには時間がかかりそうだ。(フロントロウ編集部)