新作映画『Sweetness in the Belly(原題)』で、“エチオピアのイスラム教徒の女性”を白人のダコタ・ファニングが演じることが、ネット上で「ホワイトウォッシュ」だと非難されるなか、ダコタ本人が“誤解”を説明した。(フロントロウ編集部)

新作映画で「ホワイトウォッシュ」疑う声

 小説が原作の映画『Sweetness in the Belly(スウィートネス・イン・ザ・ベリー)』は、エチオピアのイスラム教徒のもとで育てられたイギリス出身の孤児の女性がイギリスに戻り、家族と再会しようとするというストーリー。

 この作品でクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に出演する元子役の女優ダコタ・ファニングが、主人公となる孤児の女性を演じる。

画像: 新作映画で「ホワイトウォッシュ」疑う声

 その場面写真が先日解禁されると、ネット上ではダコタをキャスティングしたことは「ホワイトウォッシュ(※)」にあたると批判が殺到した。
※ホワイトウォッシュ/ホワイトウォッシングとは、非白人のキャラクターを白人の俳優が演じること。有色人種のキャラクターが限りなく少ないなかで、キャラクターを白人化するのは人種差別的な行為であるうえ、多様性をなくすとして批判が上がっている。

 公開された場面写真では、国民の多くが黒人のエチオピアでヒジャブを着用した白人のダコタが写る。

 ブルーの瞳にブロンドヘアのダコタは、白人のなかでも“色素が薄い”ルックスであり、彼女が「エチオピアのイスラム教徒」を演じると言われれば、キャスティングに違和感を覚えるのも確か。

ダコタがクレ―ムに反応

 この場面写真が公開されると、ネット上では「またハリウッドがホワイトウォッシュした」といったバッシングのコメントが相次いだ。しかし、ダコタ本人がインスタグラムのストーリーに、今回のキャスティングは「ホワイトウォッシュ」ではないと説明した。

 前途のあらすじの通り、ダコタが演じるのは「エチオピアのイスラム教徒のもとで育てられた“イギリス出身の孤児の女性”」。ダコタが演じるのは、“イギリス人”であることを明確にした。

画像: Instagram/Dakota Fanning

Instagram/Dakota Fanning

コメント全訳

「明確にしたいので言います。私が出演する新作映画『Sweetness in theBelly』で、私はエチオピア人の女性を演じません。私が演じるのは、7歳の時に両親にアフリカで捨てられ、イスラム教徒として育てられたイギリス人女性です。私が演じるキャラクターのリリーが、エチオピアにたどり着くまでの冒険と、そこで出くわした内戦が描かれます。その後、リリーは出身地であるけれどその地を知らないイギリスに返されます。(この映画は)カミラ・ギブ(Camilla Gibb)の小説を基にした作品で、エチオピアが舞台になるシーンもありますし、エチオピア人男性が監督したこの作品には、多くのエチオピア人女性が登場します。この物語の語り手になれてとても光栄に思います。この映画は、出身地から追放された人が選び選ばれた家族やコミュニティのなかで“ホーム”とは何なのかと探る物語です。トロント国際映画祭で初上映された後に、皆さんもどこかで映画を楽しんでもらえると嬉しいです」

 そう映画の背景を説明しながら、自身の配役がホワイトウォッシュにあたらない理由を明確にしたダコタ。

 多様性を求める声に押されて、ホワイトウォッシュがたびたび問題になっている最近。今回の批判はそのムーブメントのなか一部で起きた早合点が原因だったが、主演女優であるダコタは映画の本質を訴えるという形でその誤解を解いた。(フロントロウ編集部)

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