たった1人で日本に長期滞在
所属するボーイズグループ、ワン・ダイレクションが2016年春に無期限の活動休止に入って以来、ソロシンガーや俳優として活躍の幅を広げているハリー・スタイルズは、2018年の年末から2019年の年始にかけて、完全プライベートで約1カ月間、単独来日。
滞在期間中には、とくに変装もせずに、ラフな服装で街に出没したり、ふらりと姿を現した居酒屋で、以前よりもだいぶ上達した日本語を披露する様子なども目撃されていたハリーだが、ただ単に筋金入りの親日家という理由以外に、一体なぜ、彼が1カ月ものあいだ日本に滞在しようと考えたのか、疑問に思っていた人も少なくないだろう。
その理由について、ソロ2枚目のアルバムとなる『ファイン・ライン(Fine Line)』をリリースしたばかりのハリーが、米人気トーク番組『エレンの部屋』で明かした。
司会者のエレン・デジェネレスから、日本に長期滞在した件について話を振られたハリーは、「たった1人で日本に行ってきたんでしょう? どんな感じだった?」との質問に深く頷きながら「楽しかったよ!」と即答。
「日本語は喋れるの?」と聞かれると、「日本を去る頃には、喋れる風な雰囲気を出せるくらいにはなってたから、みんな僕が日本語を話せるって思ってくれてたんじゃないかな。まあ、ずっと使っていないと、忘れちゃうけどね」と、自分の日本語力について控えめにコメントした。
日本行きを決めた「真の目的」
「ワン・ダイレクションとして、過去に何度も日本に行っているよね? それで気に入ったのかな?」という質問には、「うん。大好きなんだ。それに、自分はそれまで、1人きりで旅行をしたことって無かったなと気づいて。幼い頃は家族と一緒だったし、(ワン・ダイレクションとしてデビューしてからは)、いつもメンバーと一緒だったしね。だから、自分1人で何かやってみようと思ったんだ。日本に行って、ただ歩き回ったり、友達と会ったり…すごくいい経験だった」と答えたハリー。何か1人でやってみようと考えたときに、日本への旅行が思い浮かび、実行に移したことを明かした。
エレンとの会話の中で、『ファイン・ライン』の収録曲のいくつかは日本で制作したものであるとも明かしたハリー。
いつもとは違う環境に身を置くことで、「クリエイティブ面ではどんな影響があるの?」との問いには、「僕にとっては、雑多な集まりから距離を置くっていう意味合いが強かったかな。集中力をそらすものを避けるっていうか。例えば、いつも一緒にディナーに行こうとか、出かけようって誘ってくれる友達と距離を置くことで、(楽曲制作という)1つの事にちゃんとフォーカスできるって感じかな」と、日本への旅行の真の目的は、暮らし慣れた環境を離れて、異国の地で1人になってみることで、音楽制作への集中力を高めることだったとも語った。
日本滞在中には、その頃、ちょうど東京や京都などで特別編を撮影していたNetflixの人気番組『クィアアイ』のメンバーたちと合流ししたほか、同シリーズに出演したモデルの水原希子と知り合ったり、日本の人気アーティストの米津玄師や俳優の松田翔太らと異文化交流を図り、人脈を広げていたハリー。
ハリーと親交が深い、日本人クリエイターの野村訓一氏が公開した、ハリーの日本滞在中の貴重写真。
彼の日本での経験や思い出がどんな風に楽曲に活かされているのかを考えながら『ファイン・ライン』を聴いてみると、何か新たな発見があるかもしれない。(フロントロウ編集部)