セレーナ・ゴメスが「双極性障害」を告白
シンガー兼女優のセレーナ・ゴメスが、精神疾患の中でも気分障害と分類されている疾患のひとつである「双極性障害」(別名「躁うつ病」)との診断を受けたことを告白した。
同じくディズニーチャンネル出身のシンガー、マイリー・サイラスが、新型コロナウイルス拡大防止のための隔離生活の開始とともにスタートしたインスタグラムのライブ配信番組『ブライト・マインデッド:ライブ・ウィズ・マイリー(Bright Minded: Live With Miley)』にビデオ通話によりゲスト出演したセレーナは、2018年に精神のバランスを崩したことをきっかけに受診したマサチューセッツ州ベルモントにあるアメリカ最高峰のメンタルヘルス専門機関マクリーン病院の複数の医師たちから、双極性障害であると診断されたことに言及。
18万人以上のユーザーたちが見守るなか、「(医師たちに)自分が経験したいろんなことを話しているうちに、自分は双極性障害だと気づいたの」と打ち明けたセレーナは、「情報がたくさんあればあるほど、自分にとっては助けになる。それが何かを知れば、恐怖は消える。言おうとしていたことをついに言えたとき、それについて、すべてを知りたいと思ったの。そのことによって、不安が取り除かれた」と、双極性障害と診断を受けたことにより、自分が抱えているものへの恐怖心が薄れ、少し気持ちが楽になったと語った。
双極性障害とは?
双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」が繰り返される精神疾患のこと。「躁うつ病」とも呼ばれる。
双極性障害の患者は、つねに症状が現れるわけではなく、躁状態でもうつ状態でもない、いわゆる普通の状態があることが特徴で、20歳前後の若年期に発症することが多いことが分かっている。
双極性障害には「I型」と「Ⅱ型」がある。「I型」は社会生活に支障をきたすほどの激しい躁状態を引き起こし、夜も眠らずに動き回る、話が止まらない、大きな声で話しを遮られると怒る、などの突飛な行動を引き起こす。それに対し、「Ⅱ型」の躁状態は軽度であることが多い。社会生活における著しい支障はないため、本人が異常と捉えることはあまりなく、周囲が先に気づくことが多い。
※参照ソース:国立国際医療センター病院精神科
知ることで不安が消える
2015年に全身性エリテマトーデスと診断され、2017年にはその合併症によるトラブルから腎臓移植を受けたセレーナ。2018年には、検査の結果、血液中の白血球が減少していたことに強い不安を感じて取り乱し、さまざまなストレスや不安が蓄積したことも相まって、情緒不安定な状態が続いていた彼女を、家族がロサンゼルスにあるセレブ御用達の病院「シーダーズ・サイナイ・メディカル・センター」に連れて行った。
その後、セレーナは精神科病院に入院。当時は、彼女が治療に専念した施設名などは明かされていなかったが、セレーナは、2019年にマクリーン病院主催のアワードでスピーチを行い、自身の回復をサポートしてくれた医師やスタッフたちに感謝の言葉を述べた。
その際、セレーナは、不安症とうつ病に悩まされていると話したものの、自身が双極性障害と診断を受けたことは明かさず、「強い恐怖と安堵の両方を感じましたた。ついにベールがはがされたという恐怖の反面、自分が長年にわたって悩まされてきた鬱や不安の理由について知ることができたことで安心したのです」と語っていた。
マイリーとのライブ配信の中で、恐怖や不安を感じるものについて、あえて理解を深めることで、克服に繋がると信じていると語ったセレーナは、自身の母が教えてくれた苦手意識の克服方法についてこうも明かした。
「若い頃、私は雷雨が怖くて仕方なかったんだけど。ママが雷雨に関する本をたくさん買ってきてくれたの。『それについてもっと深く勉強すれば、怖くなんてなくなるから』って。完全に効果があった。私にとっては、知る事が大きな助けになる」。
(フロントロウ編集部)