ヘンリー王子とメーガン妃、縁のある弁護士を起用
3月31日付けで、英国王室の高位王族の座から退いたヘンリー王子とメーガン妃が、その大きな決断をする原因のひとつであったと考えられる英タブロイド紙による行き過ぎた報道。とくにメーガン妃を標的としたものが多く、メーガン妃が父トーマス・マークルに送った手紙の一部を勝手に公開して印象操作を行なったことは、プライバシーの侵害にあたるとして、ヘンリー王子とメーガン妃は、英Daily Mailを傘下に置くAssociated Newspapersを提訴している。
現地時間4月24日に初公判が行なわれたこの案件を担当しているのは、ロンドンの法律事務所5RBで、弁護士はデヴィッド・シェボーン氏。
このシェボーン氏、じつは英国王室とは縁のある人物。ヘンリー王子の母で、生前はタブロイド紙やパパラッチに悩まされ、1997年に交通事故死した際もパパラッチに追われていた故ダイアナ元妃の代理人を務めていたのも、シェボーン氏だった。彼の専門は、プライバシー保護、守秘義務、名誉棄損となっており、今回のヘンリー王子とメーガン妃の裁判に適任とみられる。
ちなみに彼のクライアントにはそうそうたる面々が揃っており、ザ・ビートルズのポール・マッカートニーやエルトン・ジョンなどイギリスを代表する顔ぶれから、アメリカのドナルド・トランプ大統領まで、かなりの世界的著名人たちの代理人を務めた経歴を持つ。
タブロイド紙と長い闘いの歴史がある英国王室
英国ロイヤルファミリーは、過去にたびたびタブロイド紙やパパラッチに追われる状況に追い込まれていた。そのなかでもターゲットにされた人物として有名なのは、やはりダイアナ妃。
その過激な報道にはエリザベス女王すらも、バッキンガム宮殿に新聞社の記者たちを呼び、ダイアナ妃を放っておくよう苦言を呈したほど。しかしその1週間後にはダイアナ妃のビキニ写真がパパラッチされ、イギリスの君主として68年間もその地位にいるエリザベス女王ですら、タブロイド紙の暴走は止められなかったという。
また12歳で母を失うこととなったヘンリー王子は、ダイアナ妃が亡くなった交通事故が起きたとき、まだ息があった後部座席に座るダイアナ妃をパパラッチは撮影し続けたことが、母の死を乗り越えるうえで最も折り合いをつけることが難しかったことだと明かしている。
そんな過去があり、愛する人がふたたびタブロイド紙の標的にされていることに危険を感じて対策を打ったヘンリー王子。王子とメーガン妃は、初公判を現在滞在しているアメリカのロサンゼルスから、オンラインで聴いていたとのこと。(フロントロウ編集部)