移民の学生たちを祝福したセレーナ
5月の卒業シーズンにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、オンラインでの卒業式を余儀なくされているアメリカの卒業生たち。そんななか、それぞれの学校での卒業式とは別に、今年で高校や大学を卒業する移民の学生たちだけを集めた「イミグラッド・2020・バーチャル・コメンスメント(Immigrad 2020 Virtual Commencement)」と銘打たれたイベントが米現地時間5月23日にオンラインで開催された。
アメリカは移民大国でありながら、ドナルド・トランプ米大統領がアメリカ・ファーストを唱えて移民に対する風当たりが強くなっているなか、自身もメキシコから移住してきた家族のもとに生まれたことで知られるシンガーで俳優のセレーナ・ゴメスが同イベントにメッセージを寄せ、卒業生たちを祝福した。
「移民のみなさん、おめでとうございます」と卒業生たちにお祝いのメッセージを送ったセレーナは続けて、「バーチャルなセレモニーではありますが、これは正真正銘のものであり、皆さんのご家族や、皆さん自身、そして皆さんのコミュニティにとっても現実的なものです」とした上で、「皆さんに知ってもらいたいのは、皆さんは大切な存在で、アメリカの歴史の大きな部分を占める存在だということです」と、移民の1人1人が重要な存在であり、今日までのアメリカの歴史には欠かせない存在だと激励。
「私の家族がメキシコからこの国へ移動してきた時に、私や家族のアメリカでの物語がスタートしました」と自身のルーツに言及した上で、「メキシコ系アメリカ人の3世であることを誇りに思っていますし、私の家族が進んできた道や彼らの犠牲が今日の私を作っています」とセレーナ。
「私の物語は特別なものではありません。皆さんのそれぞれが、アメリカ人になるまでに同じような物語を経験していると思います。それぞれのご家族の出身地の違いや、在留資格の違いは重要ではありません。皆さんは教育を受け、ご家族にとっての誇りとなり、ご自身の世界を広げたのです」とセレーナは続けて語り、アメリカでの学業を修了した卒業生たちをねぎらった。
「今日は皆さんに愛と祝福の言葉を送りたいと思います。皆さんがそれぞれの望みに向かって歩み始められることを願っています」とセレーナは改めて彼らを祝福して、メッセージを締めくくった。
セレーナが卒業生たちに送ったメッセージはこちら。
先日、セレーナはSNSアプリのフェイスブックとインスタグラムが共同で開催したオンラインでの大規模な卒業イベントにもメッセージを寄せていて、新型コロナウイルスという未曽有のパンデミックのなかで「新たな一歩」を踏み出す若者たちにお祝いと激励のメッセージを送った。(フロントロウ編集部)