キャサリン妃、ある兄弟のために約束
英国王室のキャサリン妃とカミラ夫人が、イギリス東部の街ハンティンドンに住む一家とビデオ通話で交流した。イギリスでは、6月22日から28日が2020年の子どもホスピス週間となっており、この日キャサリン妃が話す機会を得たデルフ一家も、1月に9歳のフレイザー君を亡くしている。フレイザー君は、コートプラス症候群という稀な病気を抱えていたという。
彼の兄で13歳のスタイー君は、「フレイザーはただの弟ではなく、僕の親友だったんです」と語った。それを聞いたキャサリン妃は、あることを少年に約束したそう。フレイザー君とスタイー君の母親が、英BBCにこう明かした。
「キャサリン妃は、フレイザーの思い出のためにひまわりを植えると言ってくれました」
イギリスでは太陽がホスピスケアのマークとされており、キャサリン妃はその理由から太陽を植えると約束したよう。キャサリン妃といえば、毎年イギリスで開催されているチェルシー・フラワー・ショーで「自然に還る庭」と名づけたエリアのデザインを手掛けるなど、自然にもアートにも造形が深いことで知られている。
6月18日には、新型コロナウイルスの影響で自粛していた外出を伴う公務を再開させ、園芸センター「フェイクナム・ガーデン・センター」を訪れていたキャサリン妃。自身も3人の子供を育てていることから、フレイザー君とスタイー君の思い出に心が揺さぶられたよう。
ホスピスのために250万円を集めたスタイー君
スタイー君が注目されたのは、フレイザー君への愛情を行動に起こしたこと。じつは、フレイザー君が最期の時を過ごした病院は、新型コロナウイルスの影響で支援金の額が大幅に下がったという。そのため、スタイー君は毎日5キロを走って支援金を募るクラウドファンディングを開始。当初の目標額は500ポンド(約7万円)だったのだけれど、最終的には1万8,500ポンド(約250万円)が集まったそう。
スタイー君のこのアイディアは、2020年4月に、自宅の庭を100往復することで医療サービスへの寄付金を約27億円集めた99歳の退役陸軍大尉トム・ムーア大尉に触発されたとのこと。
He's done it!
— BBC News (UK) (@BBCNews) April 16, 2020
Captain Tom Moore, a 99-year-old war veteran who is walking 100 laps of his garden before his 100th birthday to raise money for the NHS, has completed his challenge!
He has raised more than £12m for the health servicehttps://t.co/eUiQiX5AAP pic.twitter.com/T4WOWCAqOk
ムーア大尉の行動に感銘を受けた子供は他にもおり、イギリス西部のブリストルに住む、生まれながらの脊椎の疾患である二分脊椎を患う6歳のフランク君も、補助器具を使って毎日10メートルを歩き、医療従事者への寄付を1,000万円以上集めた。(フロントロウ編集部)