2019年に亡くなった俳優キャメロン・ボイスの両親が、彼の意思を継いで設立した「キャメロン・ボイス基金」について語った。(フロントロウ編集部)

キャメロン・ボイス基金を設立した理由

 ディズニー・チャンネルのテレビ映画『ディセンダント』シリーズなどに出演して人気を博した俳優のキャメロン・ボイスが、2019年7月6日に持病のてんかんによる発作が原因で20歳の若さで他界。残された家族は、生前にチャリティ活動に精力的に取り組んでいたキャメロンの意思を継いで、「キャメロン・ボイス基金(The Cameron Boyce Foundation)」を設立した。

 この基金は、若者に対して、暴力やネガティブなものの代わりに芸術や創造というはけ口を提供し、世の中にプラスな変化をもたらすことを目的としたもので、キャメロンが死に至る原因となったてんかん発作をもつ人々を支援する団体Epilepsy Foundationと、急性てんかん発作によって起きる死亡事故を減らすために発足された団体SUDEPとも提携を結んでいる。

画像: キャメロン・ボイス基金を設立した理由

 キャメロンの悲劇的な死から1年を迎えたことを受けて、今回、キャメロンの両親である父親のヴィクター・ボイスと母親のリビーが、米E! Newsとのインタビューで「キャメロン・ボイス基金」について言及。同基金を立ち上げた経緯について語りながら、最愛のキャメロンの死とどう向き合ってきたかについて胸の内を打ち明けた。

 父親であるヴィクターは、「キャメロン・ボイス基金」について、「キャメロンが亡くなった後ですぐに立ち上げられました」とした上で、「正直のところ、(立ち上げたのは)打ちのめされるような喪失に対するリアクションのようなものだったところがありました。何かしなければいけない、キャメロンがしようとしていたことを続けていかなければいけないと思ったのです」と説明。

 「私たちがやらねばいけないことだと感じていましたし、キャメロンもきっと、私たちがそうすることを願っているはずだと思いました。私たちにとっては、彼の死に、目的や意味を見出すためのものでもありました」と、キャメロンの死と折り合いをつけるために基金を立ち上げたところもあったことを打ち明けた上で、ヴィクターは次のように続けた。

「この基金は私たちに目的を与えてくれました。私たちは他の家族や他の方々に、(基金を通じて)前向きになってもらいたいと思っています。ご存知かと思いますが、私たちの息子は、ポジティブ精神とチャリティ精神に溢れた、決して自分勝手にはならないような子供でしたから。私はキャメロンのような人間ではなかったので、彼がそういう子供だったことには思わず笑ってしまうのですが。彼がどこからその性格を受け継いだのかは分かりませんが、私にとって、より良い人間になり、息子の視点から物を見れるようになるために努力することは、心を浄化してくれるようなもので、彼のようになれることはありませんが、この基金はそういう考えのもとで立ち上げました」

ファンにもキャメロンの意思を継いでほしい

 キャメロンの生前の意思を継ぐために「キャメロン・ボイス基金」を設立したことを明かしたヴィクターだけれど、家族として、ファンの人々にも同じように彼の意思を継いでもらいたいと考えているよう。

 母親のリビーは、インタビュアーからの「ファンの人たちには、この基金を通じてキャメロンの意思をどのように覚えていてもらいたいか」という質問に対し、「皆さんには、彼の愛を忘れずに、ポジティヴな形でキャメロンのことを覚えておいてもらいたいです」と回答した上で、キャメロンの死を今なお受け入れられない辛い思いに言及しながら、彼が残した功績について次のように振り返った。

画像: ファンにもキャメロンの意思を継いでほしい

 「彼が人々に大きな影響を与えたことは、素晴らしいことです。ただただ、誇りに思います。彼のことはすごく恋しいですし、(亡くなって以来)痛みを感じなかった日はありません。この先もずっと、痛みを感じ続けるでしょう」とリビー。

 「しかしながら、彼は若者たちに自分の生きた証を残し、彼らに真実を伝えるよう奨励して、世界を救うために自分のできることをし、チャリティ精神をもって、親切でいるように彼らに訴えかけたのです。キャメロンとは、そういう子でした」と彼女は続けて語り、優しさと思いやりの心をもったキャメロンが多くのファンに与えた影響を称えた。

 両親からはもちろん、その優しい性格で共演者やファンからも愛されていたキャメロン。彼が亡くなってから初めての誕生日となる2020年5月28日の前には、彼の家族が「キャメロン・ボイス基金」への寄付を呼びかけると、『ディセンダント』シリーズで共演したダヴ・キャメロンら多くの友人たちが寄付集めの活動に協力し、当日までに、ファンからおよそ12万3,000ドル(約1,350万円)もの寄付が集まった。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.