レディー・ガガ&アリアナ・グランデ、コラボ曲初披露の計画が立ち消えに
シンガーのレディー・ガガは、5月末にリリースした6枚目のアルバム『クロマティカ(Chromatica)』の収録曲「レイン・オン・ミー(Rain On Me)」でシンガーのアリアナ・グランデとコラボ。
現代音楽界を代表する歌姫2人が歌声を響かせた同楽曲は、初夏を彩る最強ポップチューンとして大ヒットを記録している。
新型コロナウイルスの世界的感染拡大によるソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)が始まる以前に撮影された「レイン・オン・ミー」のMVは、世界中のファンたちがTikTokをはじめとするSNSで2人の振り付けをマネするダンス動画を公開しているほか、最近では、日本のお笑い芸人の渡辺直美とゆりやんレトリィバァがパロディ動画を制作し、ガガの制作チームから「最高!素晴らしい作品!」と大絶賛を受けたというニュースも注目を集めた。
「レイン・オン・ミー」が解禁されたのは、『クロマティカ』のリリース1週間前。すでにコロナ禍に突入していたこともあり、これまでガガとアリアナのコラボパフォーマンスは実現していない。
しかし、そんな2人が、ついにステージ上でコラボパフォーマンスを披露する計画があったことが、米Paige Sixへの音楽関係者の証言で明らかに。
じつは、ガガとアリアナは、それぞれ、米現地時間の7月31日からの週末3日間、カリフォルニア州ロサンゼルスにある野外競技場ローズボウル・スタジアムの駐車場で行なわれるドライブイン・シアター形式のイベント『Drive 'N Drag(ドライブ・ン・ドラァグ)』にサプライズ出演する計画があったそう。
同イベントは、人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』に出演する人気女装家たちが集結するイベントで、車内に居ながらショーを楽しめるというもの。
LGBTQ+コミュニティに造詣が深く、熱心なサポーターとして知られるガガとアリアナは、同イベント初日のステージに登場することが予定されており、そうなれば、必然的に、大ヒット中のコラボ曲である「レイン・オン・ミー」を初めて一緒にパフォーマンスするものとみられていたが、イベント開催前日の木曜日になり、ガガとアリアナの出演がやむなくキャンセルされたと、音楽関係者が明かしている。
あのアーティストの公演での一部のファンの「問題行為」が影響
ガガとアリアナが出演辞退を決断した背景には、ファンたちの安全と健康を考慮したことがあると言われている。
新型コロナウイルスの感染者数、死者数ともに世界最多となっているアメリカでは、つい先日、ニューヨーク・ハンプトンで人気EDMデュオのザ・チェインスモーカーズ(The Chainsmokers)が、来場者が車内から密にならない状態で公演を鑑賞することができるドライブイン形式のライブを開催。
アーティストおよび主催者側は、感染拡大予防策を徹底し、「トイレに行く以外は、なるべく指定された場所からでないように」などと、観客たちにアナウンスしたうえで公演を決行したが、いざライブがスタートすると、興奮して車から出た一部のファンたちが、ザ・チェインスモーカーズがパフォーマンスを行なうステージの前にわんさか押し寄せ、普段のライブと変わらない“密”状態に。
This was The Chainsmokers concert in the Hamptons over the weekend.....
— Complex (@Complex) July 27, 2020
Twitter had thoughts: https://t.co/Mpy1Q4cFaYpic.twitter.com/rMZAohjuuH
一部のファンがルールを守らなかったため、このコンサートは大問題に発展し、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事までもがツイッターを通じて苦言するほどとなった。
『Drive 'N Drag』の会場であるローズボウル競技場の管理者は、もしもガガとアリアナがの舞台にサプライズ登場した場合、ザ・チェインスモーカーズのドライブイン・コンサートで起きたような不測の事態が発生してしまうのではないかと憂慮し、ギリギリで2人に出演を差し控えて欲しいと、断りを入れたという。
音楽関係者は「ガガは本当に出演したがっていました。でも、ハンプトン(ザ・チェインスモーカーズの公演)で起きた事を考えて、ローズボウル側が出演打ち切りを決めたのです。管理者たちは、ガガとアリアナの登場に気づいた観客たちがステージへと駆け寄り、ソーシャル・ディスタンスのルールを破ってしまうのではないかと不安視しました。そんな事が起これば、営業許可を取り消されてしまうかもしれませんから」とPaige Sixに語っている。
パンデミックの収束の目途が立たず、多くの人が集まるライブイベントは、なかなか再開の兆しが見えないなか、きちんとルールさえ守れば“密”を避けられるドライブイン・コンサートは運営側にとっても、多くのファンたちにとっても、エンタメ業界を盛り上げる一筋の希望の光。
しかし、その一方で、興奮を抑えられなくなってしまうファンや、周囲の行動に流されてしまうファンが存在することにより、最悪の場合、クラスターが発生してしまう恐れもある。ガガとアリアナという2人のトップスターがサプライズで同じステージに立つとなれば、自制が効かなくなるファンが続出するのは、確かに目に見えている。だからこそ、今回の管理側の判断は、賢明だったと言えるだろう。
MTV VMAが初共演の場に?
ガガとアリアナの「レイン・オン・ミー」は8月30日に開催されるMTVビデオ・ミュージック・アワードで最優秀ビデオ賞を含む最多9部門にノミネート。同アワードは、新型コロナウイルスが流行して以降、リモートではなく、実会場で行なわれる初の主要アワードとなる。
ニューヨーク・ブルックリンにあるバークレイズ・センターで開催される同イベントでは、アーティストたちによるステージパフォーマンスも行なわれるものとみられている。
おそらく、ガガとアリアナも、何らかの形でパフォーマンスを行なうものと期待が集まっているが、「レイン・オン・ミー」での初ステージ共演は、それまでおあずけ?それとも、それ以前にコラボパフォーマンスが実現する機会がある? 今後の続報に注目。(フロントロウ編集部)