何かと批判の的になることが多いセレブたちは、使い方によって「善」にも「悪」にもなり得るSNSとどう向き合っている?(フロントロウ編集部)

ネット上の誹謗中傷が原因で自殺する人も

 不特定多数の人たちによって書き込まれた罵詈雑言が原因で心を病んでしまうだけでなく、最悪の場合、自殺をしてしまう人もいるネット上の誹謗中傷やネットいじめ。キーボードから打ち込んだ言葉だけで人を死に追いやることもあることから、「指殺人」とも言われる。

画像: ネット上の誹謗中傷が原因で自殺する人も

 今、そのネット上の誹謗中傷をめぐって規制を強化する動きが世界中に広がっているほか、日本でも今年5月に恋愛リアリティ番組『テラスハウス』に出演していた女子プロレスラーの木村花選手が、ネットでの誹謗中傷が原因で自ら命を絶ったことがきっかけで、これまで以上に個人のブログやネットの掲示板、SNSにコメントを残す人たちのモラルを問う声や、悪意あるコメントを残した人たちを取り締まるための法整備を求める声が多方面から上がっている。

 とくに、現代の若者にとって欠かせないツールとなっているSNSは、使い方によって「善」にも「悪」にもなり得る。つねに言動を監視され、何かと批判の的になることも多いセレブたちは誹謗中傷にどう対処し、SNSとどう向き合っているのだろうか?

セレブに学ぶSNSとの付き合い方

コメント欄に閉鎖もしくは制限する

テイラー・スウィフト

画像: コメント欄に閉鎖もしくは制限する

 シンガーのテイラー・スウィフトは、SNSに絶え間なく届く誹謗中傷コメントから逃れるために、自身のインスタグラムにコメントができないようコメント欄を閉鎖。そのことについてテイラーは、「“雑音”をブロックする方法を学んだの。私のインスタはコメントできないようになってる。朝9時にコーヒーを飲んでる時に、『穴にでも落ちて死ね』と言ってくる人たちをブロックしてるの。そうすることで、(周りにとやかく言われることなく)友達やファンに私の近況を知らせることができる。今は他人に認めてもらう必要はないのだと、脳に言い聞かせてるところ。ネット上の賞賛を必要としないようになるのって、自尊心のためにも良いと思うんだよね」と、昨年、米ELLEのインタビューで語っていた。

SNSと距離を置く

セレーナ・ゴメス

画像1: SNSと距離を置く

 「双極性障害」(別名「躁うつ病」)と診断されたことを公表しているシンガー兼俳優のセレーナ・ゴメスは、約2年前、「(SNSに寄せられたネガティブなコメントを見て)すごく気分が落ち込み、自分に自信が持てなくなって、体形を気にするようになった」という理由で、自分のスマホからインスタグラムのアプリを削除。それから1年以上、気が向いた時だけ友人のスマホから投稿を行なうという、独自の方法でSNSと向き合ってきた。


デュア・リパ

画像2: SNSと距離を置く

 シンガーのデュア・リパは、心の健康のために「ツイッターを辞めた(※)」と今年5月に米NMEのインタビューで告白。でも、なぜインスタグラムはアリで、ツイッターはダメなのか? デュアはその“違い”について、インスタグラムは写真がメインでブログ感覚で更新できるため、投稿後の反響を気にすることはないが、ツイッターはツイートした後に届いたコメントをチェックせずにはいられないそうで、嫌でもネガティブな言葉が目に入ってきてしまうと説明している。
※現在も更新は続いてはいるが、あくまでインスタグラムの投稿の再投稿とリリースなどオフィシャルな投稿に限定されている。


ビリー・アイリッシュ

画像3: SNSと距離を置く

 「ファンとつねに繋がっていたいし、おしゃべりしたい」というほど、ファンのことを大事に思っているシンガーのビリー・アイリッシュにとって、インスタグラムはファンと交流するために必要不可欠なツールで、以前はファンから届いたすべてのコメントに目を通していた。しかし、アーティストとして大成功を収めたことで、いわゆるヘイター(憎悪主義者)やネット荒らしのような存在による悪質なコメントが増え、次第に心身に悪影響を及ぼすように。過去に重度のうつに悩まされ、自殺を考えたこともあったビリーは、心の健康を保つためにインスタグラムに届いたコメントを読むのをやめたことを、約半年前に英BBC Breakfastのインタビューで明かした。


エド・シーラン

画像4: SNSと距離を置く

 これまでにグラミー賞を4度受賞している若手実力派シンガーのエド・シーランは、売れっ子になるにつれて、顔も名前もわからない見ず知らずの人たちからネット上で罵詈雑言を浴びせられるように。それに嫌気が差したエドは、“悪の巣窟”となっていたツイッターと約3年前におさらば。現在もアカウントは残されたままだが、ツイッターのプロフィールには「もうこれは使っていません。インスタグラムで@teddysphotosをフォローしてください。たくさんの愛を」と書かれており、2017年7月18日を最後に一度も更新されていない。

正々堂々と向き合う

ヘイリー・ビーバー

画像1: 正々堂々と向き合う

 モデルのヘイリー・ビーバーと夫でシンガーのジャスティン・ビーバーは、10代に大人気のSNSアプリ「TikTok(ティックトック)」にヘイリーを侮辱する内容の動画を投稿した男性に対し、代理人である弁護士を通じて問題の動画の配信停止と、謝罪を求める「通告書」を送付。要求に応じない場合、ヘイリーの名前や写真を無断で使用したことへの「肖像権侵害」や、著作権で保護されているジャスティンの大ヒット曲「ソーリー(Sorry)」の歌詞を無許可で使用したことへの「著作権侵害」で、損害賠償を請求することをも辞さないと強硬な姿勢を見せた。


リゾ

画像2: 正々堂々と向き合う

 ツイッターで「リゾが有名なのは今アメリカで肥満がブームだから」と暴言を吐かれたシンガーのリゾは、スルーするという選択肢もあるなか、「私が有名なのは、私が良い曲を書いて、才能があって、エネルギッシュで愛のこもったステージを1時間半にわたってお届けしてるから。もっと頑張ったほうがいいのはあなたのほう。私の名前を口にする前に、鏡で自分の姿を見たほうがいいよ。あなたがお望みの“注目”をどうぞ」と反論するコメントを返信して、誹謗中傷をした相手を“公開処刑”。ちなみに、リゾは今年1月にネット上の誹謗中傷を理由にツイッターを辞めると宣言して以降も、更新は続けているものの、プライベートな投稿は極力控えるようにしている。

 ちなみに、9月は自殺予防月間。日本では9月10日の「世界自殺予防デー」に因んで、9月10日から16日までを「自殺予防週間」と定めている。

悩みを抱えて相談を必要としている方へ
日本いのちの電話連盟
0570-783-556(10~22時)
www.inochinodenwa.org

(フロントロウ編集部)

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