世界的なヒットを記録した「シー・ユー・アゲイン」
2015年に映画『ワイルド・スピード』シリーズの第7作目として公開された『ワイルド・スピード SKY MISSION』。本作は、ブライアン・オコナーを演じ、2013年に亡くなった俳優の故ポール・ウォーカーが最後に出演した作品の1つとして知られている。
ポールは2013年11月30日、友人のロジャー・ロダスが運転する車に乗っていた際に事故に遭い、帰らぬ人に。当時は『ワイルド・スピード SKY MISSION』を撮影していた最中で、急遽、弟のコーディ・ウォーカーが残されていたブライアン・オコナーのシーンを代役として演じた。
本作はおよそ1,666億5,524万3810円(1,515,047,671ドル)という、『ワイルド・スピード』シリーズにおける歴代最高の興行成績をあげるほどの成功を収め、映画の大ヒットと比例するように、本作のテーマ曲である「シー・ユー・アゲイン」も大ヒットを記録した。
「友よ、君がいないから長い1日だった/また会った時にすべて話すよ」と、今は亡き友人への思いをシンガーソングライターのチャーリー・プースが歌う、彼とウィズ・カリファによる「シー・ユー・アゲイン」は、作中の映像が組み合わされた感動的なミュージックビデオも話題になり、ビデオは記事執筆時点までにYouTubeで47億回以上も再生されている。
チャーリー・プースが「シー・ユー・アゲイン」にまつわるウラ話を明かす
グラミー賞において主要部門の1つである最優秀楽曲賞を含む3部門にノミネートされるなど、「シー・ユー・アゲイン」はチャーリー・プースのキャリアを代表する1曲となったのだけれど、チャーリーによれば、実は『ワイルド・スピード SKY MISSION』の主題歌として採用されない可能性があったそう。
今回、英GQのインタビューに応じたチャーリーは、そのなかで「当初は、『シー・ユー・アゲイン』を歌うことはできないと言われていた」ことを告白。その理由について次のように明かした。
「『ワイルド・スピード』に僕は相応しくないという理由でね。つまり、僕がカッコよくなかったということさ。変わったミュージックビデオも作っていたからね」
なんと、どちらかというと可愛らしい印象のチャーリーは、ワイルドな風貌揃いの『ワイルド・スピード』の顔には相応しくないという理由で、当初は歌うことを断られてしまったという。「契約を結んでいなかった段階で製作陣に連絡して、(自分が歌えないなら)曲は提供しないということを伝えて電話を切ったんだ」とチャーリーは当時を回想。
しかし、映画の製作陣も「シー・ユー・アゲイン」という本作にぴったりな楽曲を逃すわけにはいかないと思ったのか、考えを改めたそう。「奇跡が起きて、1週間後には曲を歌っていたよ」とチャーリーは振り返り、最終的には自分自身で歌うことができたと明かした。
“カッコよさが足りない”という、まさかすぎる切ない理由でボツになりかけていたという「シー・ユー・アゲイン」。今ではこの曲が『ワイルド・スピード』シリーズを代表する主題歌の1つにまでなっているので、一度は断りかけた配給側も胸をなで下ろしているはず。(フロントロウ編集部)