俳優のエミリア・クラークが、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影で「死」を覚悟した瞬間とそのワケとは?(フロントロウ編集部)

エミリア・クラークが最も過酷だった撮影を振り返る

 2019年に放送が終了した大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で、ドラゴンの母カリーシことデナーリス・ターガリエンを演じていた俳優のエミリア・クラークが、脳の病気で手術を受けた直後に撮影で「死」を覚悟したことを、同ドラマの舞台裏を描いた書籍『Fire Cannot Kill a Dragon(原題)』のなかで明かした。

 2011年にくも膜下出血を発症して生死の境をさまよったエミリアは、それから約2年後の2013年に再び脳動脈瘤の手術を複数回にわたって受けた。2019年に初めて世間にそのことを公表したエミリアは、一度目の手術のあと、自分の名前が思い出せず、病院のスタッフに「死なせてほしい」とお願いするほどの絶望を感じたことを米New Yorkerに寄稿した手記に記している。

 そんな人生のドン底から這い上がり、現在は「100%健康」と言えるくらい奇跡的な回復を遂げたエミリアだが、『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影に復帰するのはやはり容易なことではなかったそうで、「(手術を経験した後の撮影は)とにかくものすごく必死だった。砂漠のど真ん中にある採石場での撮影で、気温は30度以上あった。また脳出血を起こすんじゃないかという考えが、どうしても頭から離れなかった」と言うと、続けて「『私はここで死ぬの?セットにいる時に脳出血を起こすの?』ってずっと考えてた」と、撮影中、つねに「死」や「脳出血」という文字が頭のなかをよぎっていたことを打ち明けた。

画像: Photo:©︎HBO / Album/Newscom

Photo:©︎HBO / Album/Newscom

 2011年に最初の手術を経験したあと、自身の体調を心配するドラマの制作陣に「私は全然元気です。何の問題もないし、すぐに撮影に戻ります」と、解雇されたくない一心で“平然を装った”ことを、以前、ポッドキャスト番組『Table Manners(原題)』で明かしていたエミリア。

 制作側は、エミリアの体調を配慮してエアコンの効いた車を用意するなど、色々と気づかってくれたが、当時の彼女は特別扱いされるのが嫌でしかたがなかったそうで、「『私は失敗者じゃない。与えられた仕事ができないなんて思わないでちょうだい。私がどこかでミスをすると思ったら大間違い』って息巻いてた。いつでも助けてもらえる状況にあったけど、私はそれを必要としなかった」と、辛抱強い一面をのぞかせた。(フロントロウ編集部)

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