『ゲーム・オブ・スローンズ』でミッサンデイを演じたナタリー・エマニュエルが、共演者のエミリア・クラークとの日々を振り返った。(フロントロウ編集部)

女性俳優同士で絆を深めた『GoT』の現場

 2011年から2019年にかけて放送され、最終回の翌日にはファンの間で「GoTロス」も起こったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。本作では、ドラゴンの母デナーリス・ターガリエンや、サンサ・スタークとアリア・スターク、女戦士のブライエニーなど、多くの強い女性キャラクターが描かれ、高い評価を得た。一方で、全73話が作られた今シリーズに携わった脚本家のうち女性はたった2人、監督はたった1人であり、レイプを肯定するようなシーンや、女性キャラクターの「発言率」が全シーズンを通してほとんどが20%台であることは、批判されてきた。

 そんな『ゲーム・オブ・スローンズ』の撮影現場では、女性俳優たちがお互いに助け合っていたという。シーズン3よりミッサンデイ役でドラマに出演したナタリー・エマニュエルが、英Vogueのインタビューでこう語った。

 「エミリアと私はすぐに仲良くなったね。私がキャストに加わった時には、エミリアはすでに『ゲーム・オブ・スローンズ』に参加して数年が経っていたんだけど、彼女は女性のパワーを欲しがってたから。彼女と私は、いつもお互いを気にかけてた。男性ばかりの撮影現場に自分たちだけが女性でいると、決まった絆が生まれるものだよ」

画像: 女性俳優同士で絆を深めた『GoT』の現場

エミリアがナタリーを助けた出来事

 女性の対立をあおるような物語は多いけれど、実際には多くの女性達が助け合っている。ナタリーとエミリアもそうだったようで、ナタリーはさらに、撮影現場で起こったというある出来事を明かした。

 「私が初めて参加したシーズンでは、私の衣装はかなり露出があった。そしてそんな時、1人のエキストラがそれについてコメントしてくるという出来事があったの。典型的なやつをね。そうしたら、エミリアがすぐに私の味方になってくれて、対処してくれた」

 女性の衣装に不必要に露出が多いことや、物語を語るうえでそういった衣装やヌードで撮影に臨む女性俳優に不適切なコメントを投げかけることは、常々問題となっている。まさにそんな場面に出くわしたナタリーを、すでに現場に慣れていたエミリアが助けてくれたという。ナタリーを助けたエミリアも、ドラマのシーズン初期にはまだ若手俳優だったことがあり、ヌードでの撮影の前にはトイレに行って泣く日々だったと、過去に出演したポッドキャストの中で明かしている。

 しかし、シーズン1で共演したジェイソン・モモアが助けてくれたり、エミリア自身も制作陣に「ファック・ユー」と言えるように成長したりしたことで、撮影において意見を言えるようになったという。そのような経験から、エミリアとナタリーの間では、女性のパワーが育まれたよう。

 ちなみに、最近では女性がヌードになる撮影や、ベッドシーンなどの撮影で、俳優達を第一に考えて労働環境を整えている女性監督が増えており、映画『ハスラーズ』のローリーン・スカファリア監督は撮影現場で、ナタリーが経験したような発言をしたエキストラや、女性をいやらしい目つきで見たエキストラを数多くクビにしたことが分かっている。また、映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』のオリヴィア・ワイルド監督も、ベッドシーンの撮影環境を整え、若手俳優たちに、今後も同等レベルの環境を求めていきなさいと教えたという。(フロントロウ編集部)

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