歯に衣着せぬ物言いで知られるラッパーのカーディ・Bが、白人とのあいだにある「ギャラ格差」をぶっちゃけた。(フロントロウ編集部)

カーディ・Bが人種間の賃金格差に斬り込む

 元ストリッパーという異色の経歴を持ち、さらに2019年のグラミー賞で、女性アーティストとして史上初めて最優秀ラップ・アルバム賞を受賞したことで知られるラッパーのカーディ・Bが、表紙を飾った米Interview Magazineの誌面で人種間の賃金格差に言及した。

 現在、複数のブランドとエンドースメント契約(※)を結ぶカーディに、今回のインタビューで対談を行なった先輩アーティストのマライア・キャリーが「あなたから見て、音楽業界やファッション業界は人種差別的だと思う?」と尋ねると、「すベてが技巧的になっている今、これを『人種差別』と呼ぶのかはわからないけど…」と前置きしたうえでこう答えた。
※企業から報酬を受け取るかわりに、契約した著名人がその企業の商品を使用する契約のこと。

 「偏見だと感じたことはある。これまでに何度かエンドースメント契約を結んだことがあるけど、あとになって、一部の白人のほうが同じ企業との取引で私より多くギャラをもらっていることを知った。私は自分でリサーチして、その企業にどれほどの儲けをもたらしたか知ってる。私のファンは必ず私が身につけてるものを買ってくれるからね。『他の人にはこれだけ払ってるのに、私には払わないってどういうこと?』って。なんか侮辱的だよね」

画像: カーディ・Bが人種間の賃金格差に斬り込む

 企業名については明かさなかったものの、同様もしくはそれ以上の利益をその企業にもたらしたにもかかわらず、“白人じゃない”という理由だけでギャラが安かったことを知り、「なんで?」と納得がいかなかったことを打ち明けた。

ファッション業界の“矛盾点”を指摘

 さらに、カーディはファッション業界の“矛盾点”にも斬り込んでいる。ファッション業界は、黒人文化(ブラック・カルチャー)の影響を色濃く受けていると常々言われているが、当の黒人はその恩恵をまったく受けられていないことを指摘。

 「ファッションに関して言えば、ヒップホップの影響力が大きい。それなのに、黒人アーティストはデザイナーやブランドから衣装を借りるのが一番大変で、ファッションショーの席を確保するのも一番大変。トレンドを作っているのは私たちなのに、メジャーなファッションブランドからエンドースメント契約の話がくることは滅多にない」と、白人以外のマイノリティーと呼ばれる人たちが置かれている状況を嘆いた。

画像: ファッション業界の“矛盾点”を指摘

 ちなみにカーディのこの答えに、質問をしたマライアは、「私も同じ気持ちだから聞いてみたかったの。私の場合、(白人と黒人のハーフという理由で)人々は私をどう分類していいのかわからないみたいで、あなたとは少し違った経験をした。それはそれで最悪だった。なんにせよ、みんなにはあなたの言葉に耳を傾けてほしい。あなたの言葉は実体験によるものだから。あなたは誰よりも影響力があるのに、有色人種ではないアーティストより評価が低い。この状況を直しましょう」と返している。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.