Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,ニュースコム,Instagram
かつてマリリン・マンソンと交際していた俳優のエヴァン・レイチェル・ウッドが、以前から何度か明かしていた、自身に虐待行為を行なった人物の正体がマリリンであると明言した。(フロントロウ編集部)

※この記事には、虐待やDV、自傷行為に関する描写が含まれます。

虐待被害を明かしてきたエヴァン・レイチェル・ウッド

 ドラマ『ウエストワールド』に出演する俳優のエヴァン・レイチェルウッドは、これまで、メディアとのインタビューやツイッターを通じて、複数回にわたり、過去にある人物と虐待的な関係に陥った経験があり、その人物との交際中に自傷行為に走ったり、破局後も長らくトラウマを抱えていることを明かしてきた。

 エヴァンは、2016年の米Rolling Stoneとのインタビューで、22歳の時の自殺未遂について言及し、当時関係があった人物から「身体的、精神的、性的な虐待の被害に遭っていた」と告白。

画像: 虐待被害を明かしてきたエヴァン・レイチェル・ウッド

 2019年には、DV(家庭内暴力やパートナーからの暴力)被害者たちが、心の傷を癒すことを目的に自分たちの体験を打ち明けるSNSムーブメント「#IAMNotOK (アイ・アム・ノット・オーケイ)」に参加し、虐待的関係によって弱り切っていたある日に撮影されたという自身の写真を公開して、当時は「飢餓状態で、ひどいうつ状態で、ほぼ立ち上がることすらできなかった」などと回想。

 さらに、「虐待的な関係に陥ってから2年が過ぎた頃、私は自傷行為に逃げるようになった。私を虐待していた人物から、脅迫や攻撃を受けたとき、私は彼を落ち着かせるために自分の手首を切った。虐待は一時的にしか止まらなかった。あの頃、私は虐待を止めようと必死だった。それと同時に(彼の元を)去るのが怖くて仕方なかった #IAMNotOK」と綴っていた。


“虐待者”はマリリン・マンソン? 本人は否定

 エヴァンは“虐待者”の正体が誰であるかは明言してこなかったものの、彼女が過去の虐待被害に言及するたびに、世間では、彼女の話に登場する虐待者の正体が2007年から2010年まで約3年間にわたって交際し、婚約にまで至ったミュージシャンのマリリン・マンソンなのではないかというウワサが浮上。

画像: 2007年交際当時のエヴァンとマリリン。

2007年交際当時のエヴァンとマリリン。

 しかし、マリリンは自身にかけられた疑惑を断固として否定してきた。

 2020年に応じた英Metal Hammerとのインタビューでは、エヴァンのそれまでの発言について質問されたマリリンが、急遽インタビューを切り上げ、その場を去ってしまうという出来事も。

 マリリンは弁護士を通じて、エヴァンは自身と交際していたのと同時期に別の人物とも関係を持っており、虐待していた人物は自分ではないと主張。

 さらに、マリリンは、2009年の米Spinとのインタビューで、エヴァンとの破局直後、失恋の辛さのあまり、誰とも会わずに引きこもって部屋の壁に楽曲の歌詞を殴り書きしたほか、「自分をどれだけ苦しめているのかを伝えるため」エヴァンに158回も電話をかけ、その度に「カミソリで(自分の)顔と手を切りつけた」などという異常な行動の数々を語っていたが、それについては、あくまでも、過激でグロテスクな発言やパフォーマンスで知られるロックスターとして、新曲のPRの一環として語ったものであり、実際に自身がエヴァンに対してそういった行為を行なったことはないと否定した。

画像: “虐待者”はマリリン・マンソン? 本人は否定

 マリリンは、エヴァンが米EDITとのインタビューで、彼との交際を通して「学んださまざまなことに感謝している」、「彼との関係はかけがえのないものだった」などとポジティブな発言をしていることも引き合いに出し、自身は彼女の“虐待者”ではないと、弁護士を通じて主張し続けてきた。


エヴァンがマリリンを“虐待者”として名指しに

 しかし、破局から約11年が経った今週、エヴァンが自身を虐待し、トラウマを植え付けた人物の正体がマリリンであるとインスタグラムへの投稿を通じてついに明言。

 マリリンが、出会った当時まだ19歳で未成年者だった自分に、性的搾取を行うことを目的に接近し、精神的に支配する「グルーミング(Grooming)」を行なったと、名指しで告発した。

「私を虐待した人物の名前はブライアン・ワーナー。マリリン・マンソンとして世界的に名が知れた人物です。彼は、私が10代の頃に私をグルーミングしはじめ、数年間にわたり恐ろしく虐待しました。私は彼に服従するよう、洗脳され、操られました。報復や中傷、脅迫の恐怖に怯えて暮らすのはもうウンザリ。私は、この危険な男性が、これ以上ほかの人たちの人生を崩壊させる前に、彼について暴露し、彼の行動を許してきたいくつもの業界を非難します。私は、これ以上沈黙を続けることをやめた、たくさんの被害者たちを支援します」


別の女性たちからも精神的・身体的虐待の告発が相次ぐ

 このエヴァンの告発を皮切りに、マリリンから精神的・身体的虐待を受けたという複数の女性たちがSNSを通じて自身の体験を告白。

 マリリンから受け取ったメールのスクリーンショットや、交際中に撮影した写真などを公開し、マリリンとの虐待的関係が原因で、今もPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えていると続々と訴えている。

画像: マリリンは、2020年、10年以上の付き合いがあり、2015年に復縁したフォトグラファーのリンジー・ユージッチと挙式して夫婦となったことが、親友で俳優のニコラス・ケイジによる米Interviewでの発言により明らかになった。写真は妻となったリンジーと。

マリリンは、2020年、10年以上の付き合いがあり、2015年に復縁したフォトグラファーのリンジー・ユージッチと挙式して夫婦となったことが、親友で俳優のニコラス・ケイジによる米Interviewでの発言により明らかになった。写真は妻となったリンジーと。

 また、エヴァンは、2007年から2008年にかけて行なわれたマリリンのツアーにスタッフとして同行した男性が、マリリンと過ごした1年の間に、エヴァンの精神が崩壊し、彼女が「まったく違う人のようになってしまった」などと証言するツイートもインスタグラムストーリーでシェアしている。


レーベルが契約解除 公式サイトから削除

 エヴァンをはじめとする女性たちからの被害告発について、記事執筆時点では、マリリンは沈黙を貫いている。

 マリリンの所属レーベルである、リパブリック・レコード傘下のロマ・ヴィスタ・レコーディングスは米Varietyへの声明を通じて、マリリンとの契約の打ち切りを発表。2020年9月にリリースしたアルバム『We Are Chaos』のプロモーション活動を即刻中止とし、レーベルの公式ウェブサイトからもマリリンに関する記載を削除した。(フロントロウ編集部)

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