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ゼンデイヤが「性の区別のある質問」をごく自然にかわす様子がさすがZ世代のロールモデル。(フロントロウ編集部)

ゼンデイヤ、「性別を隔てる質問」を正す

 主演ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』での演技が高く評価され、エミー賞の主演女優賞を史上最年少で受賞したゼンデイヤは、人種差別問題に声を上げたり、LGBTQ+コミュニティのアライ(仲間・支持者)としても差別や偏見をなくすための活動に熱心に取り組んでいる。

画像: 2017年には、LGBTQ+コミュニティのアライとしての貢献が評価されGLSEN(性自認・性的指向に関わらず、すべての学生が安全な学校生活を送れるよう支援する団体)主催のリスペクト・アワードで表彰を受けたことも。

2017年には、LGBTQ+コミュニティのアライとしての貢献が評価されGLSEN(性自認・性的指向に関わらず、すべての学生が安全な学校生活を送れるよう支援する団体)主催のリスペクト・アワードで表彰を受けたことも。 

 10代から20代のZ世代の人々に大きな影響力を持つ、ロールモデル(規範となる存在)としても注目を浴びるゼンデイヤが、米Varietyとのビデオインタビューの最中に、記者から投げかけられたある質問を毅然とした態度で正す場面があった。

 映画『オールド・ガード』のシャーリーズ・セロン、映画『続・ボラット(※)』のサシャ・バロン・コーエン、映画『クリード』シリーズのマイケル・B・ジョーダンら、そうそうたる俳優たちと肩を並べて、Varietyが毎年刊行している“ハリウッド特集号”の表紙を飾ったゼンデイヤ。

※正式な邦題は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』

 動画インタビューでは、『プルースト・クエスチョネア』と題された、知られざる性格を暴く計35個の質問に答えたのだが、記者から矢継ぎ早に繰り出される質問の中には、「一番好きな男性の特性は? 」というものが。

 一瞬だけ考えたゼンデイヤは、「一番好きな“人”の特性を答えるのはどう?」と、さらりと質問から性差を取り除き、こう答えた。

 「なかなか重要な質問だよね。誰かが持っている特性で、私が一番好きなもの? 『思いやり』っていう言葉では、ちょっと説明しきれないかもしれないけど、ただ純粋に“良い人”っていう人たちは存在するよね。それって直感でわかる。うまく説明できないけど、彼らは小さなきらめきみたいなものを持ってる。その人たちの近くにいると、なんだか安心して幸せな気持ちになるっていうか。その正体が何なのかはわからないけど、でもそういう特別な何かを持っている人たちはいる」


質問を正した真意は?

 次の質問には、「一番好きな女性の特性は? 」という項目が用意されていたのだけれど、ゼンデイヤとしては、自分が女性を自認しているからといって、真っ先に「男性の~?」と聞かれたことに違和感を感じたよう。

画像: 質問を正した真意は?

 世の中には恋愛対象が女性の女性だっているし、自分のジェンダーを男性か女性かという2つの枠にあてはめて考えない人たち(ノンバイナリー)もいる。「男性は~?」、「女性は~?」とあえて性別の区別を強調した質問には、ゼンデイヤは答える気にはなれなかったよう。

 自身はもちろん、LGBTQ+を公言している家族や友人、知人が周囲にいることが多い欧米のZ世代の若者にとっては、配慮に欠ける質問や言動をする人を正すというのは、まだまだコンセプトの浸透に余地がある現在は、悲しいかな、日常茶飯事となっている。

 もともとカジュアルなトーンでインタビューを受けていたけれど、とくに波風を立てることもなく、ごく自然に、性別を隔てる質問をさりげなく遮って回答したゼンデイヤの対応は、まさにそんなZ世代の姿勢を象徴するもの。

 ちなみに、「一番好きな女性の特性は?」と聞かれたゼンデイヤは、「前の質問と同じ答えだよ」と答えていた。(フロントロウ編集部)

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