テイラー・スウィフト、“蔵出し曲”の「Mr. Perfectly Fine」をサプライズ解禁
2008年にリリースしたセカンドアルバム『フィアレス(Fearless)』の再録版である『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』を4月9日にリリースするテイラー・スウィフトが、同作に収録される“蔵出し曲”の「Mr.Perfectly Fine」を米現地時間の4月7日に突然先行公開した。
音楽マネージャーのスクーター・ブラウンとの原盤権買収・売却騒動をめぐり、デビューから2018年のレーベル移籍までにリリースした計6作のアルバムの再レコーディングを決行していることで知られるテイラー。
『フィアレス(テイラー・バージョン)』を皮切りに、今後リリースされる「テイラーズ・バージョン」と添えられた再録版のアルバムには、新たなアレンジを加えて録り直した収録曲にくわえて「From the Vault(フロム・ザ・ヴォールト)」という、日本語にすると“蔵出し”といった意味となる、各アルバムの制作と同時期に作られた未発表曲の数々も収められる。
再録版第1弾である『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』には、すでにリリースされている、カントリーシンガーのマレン・モリスをフィーチャリングした「You All Over Me(ユー・オール・オーバー・ミー)」を含む計6曲の蔵出し曲が収録されることが明かされているけれど、テイラーはそのうちの1つである「Mr. Perfectly Fine」をかなり唐突にお披露目した。
10代で経験したほろ苦い失恋がテーマ
「完璧な好青年」といった意味を持つタイトルの「Mr. Perfectly Fine」は、『フィアレス』の制作当時17歳~18歳だったテイラーのほろ苦い失恋を皮肉っぽく、ユーモアたっぷりに、それでいてせつなく歌った楽曲。
「ミスター“完璧な顔”/ミスター“ずっとここにいるよ”/ミスター“私の目を見つめて絶対にいなくなったりしないと言った”/すべては正しかったね/ミスター“僕はこれまでの人生でずっと君のことを待っていたんだ”/ミスター“終わりの日が来るまで、僕はずっと君のそばにいる”」
「でも、それは、あなたがミスター“心変わり”だと知るまでのことだった/ミスター“私を一人ぼっちにする”/私はぼろぼろになってしまった/ただ毎日立ち起き上がるだけでも、すごく大変/でも、あなたが元気で良かった」
「ハロー、ミスター“完璧な好青年”/私のハートを壊したあと、あなたのハートの調子はどう?/ミスター“いつだって、いるべき時にいるべき場所にいる”/ミスター“すべてはあなたを中心に回っている”/ハロー、ミスター“カジュアルに残酷な人”/あなたとサヨナラしてから私はずっとミス“悲惨”/でも、あなたは“完璧な好青年”だよね」
ハンサムで口達者なプレイボーイに心を弄ばれながらも、彼を気にかけてしまう複雑な乙女心を歌った「Mr. Perfectly Fine」。
10代から20代にかけて、自身の実体験をもとにラブソングを書いてきたことで知られるテイラーだけに、2008年か2007年あたりに作られたこの曲も“ある相手”との失恋にインスピレーションを得たものだと推測されている。
多くのファンたちは、テイラーが歌詞のなかで「完璧な好青年」と呼んでいるこの男性が、2008年7月から10月にかけて交際していた、当時ティーンを中心に絶大な人気を誇った兄弟バンド、ジョナス・ブラザーズのジョー・ジョナスなのではないかと予想。
『フィアレス』にはジョーとの恋について歌った曲だと言われる「Forever & Always(フォーエバー&オールウェイズ)」が収録されているが、「Mr. Perfectly Fine」には同楽曲とリンクするような歌詞がいくつも登場する。
ちなみに、マレンをフィーチャリングした蔵出し曲の「You All Over Me」も、その内容や楽曲のもともとの制作時期からジョーについて歌った曲なのではないかと言われている。
穏やかな生活にちょっと退屈して…
デビュー以来、自分の恋愛を題材に曲作りをしてきたテイラーだけれど、30代に入ってからリリースしたアルバム『フォークロア(Folklore)』と『エヴァーモア(Evermore)』は、実体験ではなく、頭の中に浮かんだ架空のストーリーを膨らませて楽曲制作をしたことを明かしている。
かつてはメディアから“恋多き女性”とも呼ばれていたテイラーは、今は、4年来の恋人で俳優のジョー・アルウィンとひっそりと愛を育み、安定した関係を築いている。
自ら望んで手に入れた穏やかな毎日だけれど、10代や20代の頃のようにドラマチックな出来事が起きないことをちょっぴり退屈だと感じてしまうこともあるようで、テイラーは、「Mr. Perfectly Fine」の解禁を告知したSNSでの投稿で、そんなジレンマが伝わるような、こんなジョークを飛ばしていた。
2020年の私:
「人生は落ち着いてる、ドラマチックな出来事を避けるためにフィクションをベースに曲を書いてる、ずいぶん大人になったなーって感じてる」
2008年の未公開楽曲:
「『Mr. PerfectlyFine』を解禁せよ~」(ゴブリンの声で)
Me in 2020: life is chill, writing songs based in fiction to avoid drama, feeling pretty grown up
— Taylor Swift (@taylorswift13) April 7, 2021
My 2008 music from the vault, in a goblin voice: “REELEEEEEEASE MR PERFECTLY FIIIIIIINE” https://t.co/PCexr31q9x
テイラーのように、平和な毎日に満足しながらも、過去のドラマチックな恋や経験を思い出して、ついしみじみと懐かしさに浸ってしまった経験がある人は多いはず。
余談だが、テイラーは先日、『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』に収録される蔵出し曲にまつわる難解なパズルをファンたちに出題したけれど、ファンが予想した内容は、すべて的中していた。
ファンたちは、シンガーのキース・アーバンの参加も見事に言い当てており、その後のテイラーの“答え合わせ”で、キースとは「That’s When(ザッツ・ホウェン)」という蔵出し曲でコラボしたことが明かされた。(フロントロウ編集部)