アメリカのリゾート地に設置される予定のマリリン・モンロー像が、ミソジニーだと問題になっている。(フロントロウ編集部)

スカートの中が見えるマリリン・モンロー像

 アメリカのカリフォルニア州にあるリゾート地パーム・スプリングスに、マリリン・モンローの巨大像「フォーエバー・マリリン」がふたたび設置されることになり、物議をかもしている。

 この像は、マリリンの代表作である映画『7年目の浮気』で彼女が風に舞うワンピースのスカートを手で押さえる有名シーンを像にしたもので、2012年から2014年にもパーム・スプリングスに設置され、観光名所の1つとなっていた。

 しかしその像は、つまりマリリンのスカートの中が見えることを意味する。この像が建物の目の前に設置されたパーム・スプリングス美術館のディレクターは、美術館を後にした来場者、とくに子供たちの目に、この像が真っ先に映ることを懸念。

画像: 過去にシカゴで展示されていたマリリン・モンロー像。

過去にシカゴで展示されていたマリリン・モンロー像。

 「私たちの美術館を後にした子供たちが、まず目にするのが巨大なマリリン像の下着であることは、非常に気分を害することになりえる」として、市議会に意見。しかし市議会は、今後3年間、像を美術館の前に設置することに賛同した。

そしてこのマリリン像自体、マリリンを性的モノ化しており、性差別的だと美術館の関係者は指摘している。パーム・スプリングス美術館の前ディレクターであるエリザベス・アームストロングは、「これは露骨に性差別的なもの。人々に(スカートの中の)盗撮を強いるようなものです」と、米NPRに話す。

 彼女は、マリリンが幼少期からハリウッドでの生活においてまで、長きにわたって性暴力に耐えてきた人物であることも指摘。そしてマリリンが性暴力に対して声をあげてきたことをスルーし、セックスシンボルとして扱うことを批判し、マリリン像の設置を止めるよう求めるオンライン署名を立ち上げた。署名には、これまでに4万人以上が賛同している。

 一方で、パーム・スプリングスのヒルトンホテルのマネージングディレクターは、マリリン像は観光地となっているとし、「彼女は多くの人をすごくハッピーにしている」「私たちの意見では、彼女はアトラクションだ。アートではない」とコメント。女性のスカートの中が見える像が問題だとされている今回の件に対する発言としてはあまりに軽すぎるという批判も聞かれている。マリリン像について、パーム・スプリングス市とパーム・スプリングス・リゾートは沈黙している。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.