マーベルドラマ『ロキ』に出演する俳優が、着脱が困難なボディスーツにちょっとした工夫を凝らして“ママ仕様”に改造してくれた衣装デザイナーに感謝。(フロントロウ編集部)

着脱が難しいヒーロー作品の衣装

 スーパーヒーローたちが活躍する映画やドラマにつきものなのが、体にぴったりとフィットしたヒーロースーツなどの衣装。

 なかなか脱ぎ着がしにくいことで知られ、トイレに行ったりするのもひと苦労だと、キャストたちが愚痴をこぼしているのをよく聞くが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品に登場するキャラクターたちが着る衣装も例外ではない。

 とくに、母乳育児をしているママ俳優にとって、一度着たら脱ぐのが難しい衣装はとても厄介。ディズニープラス(Disney+)で配信中のドラマ『ロキ』に出演するソフィア・ディ・マルティーノも撮影の合間に子供に授乳したり、搾乳器を使いたい場合には一体どうしたらいいのか頭を悩ませていたよう。

画像: 着脱が難しいヒーロー作品の衣装

母乳育児がしやすいよう細工

 2019年に日系イギリス人俳優兼脚本家のウィル・シャープとの第1子を出産したソフィアは、『ロキ』でトム・ヒドルストン演じる主人公ロキの変異体であるシルヴィを好演。

 人を言葉巧みに操り、いつ誰を裏切るか分からないミステリアスな魅力を持つ“もうひとりのロキ”というキャラクターに相応しく、衣装もハイネックのボディスーツにレザーのベストを重ねた凝った作りになっていた。

 しかし、撮影当時まさに母乳育児中だったソフィアの衣装には、デザイナーのクリスティーン・ワダの配慮で授乳口が作られていたそう。

 ソフィアはベストを脱いで授乳口のジッパーを開けた写真をSNSで公開。ワーキングママの大変さについてコメントしながら、クリスティーンへの感謝の言葉を綴った。

「ワーキングママって大変!クリスティーン・ワダは、私が撮影の合間に搾乳器を使ったりや赤ちゃんに授乳がしやすいようにシルヴィの衣装に隠しジッパーをデザインしてくれたの。こういう小さな(実際は大きな)ことが私が仕事と育児を両立するのを手助けしてくれた。永遠に感謝してる」

 ソフィアが「#supportworkingmom(働くママをサポートしよう)」、「#nursingmom (母乳育児中のママ)」といったハッシュタグを添えたこの投稿は、ツイッターやインスタグラムで大きな反響を呼び、クリスティーンの配慮にも称賛のコメントが集まった。


ファミリーフレンドリーなマーベル

 ソフィアが『ロキ』のオーディションを受けたのは妊娠中のこと。動画による審査だけでシルヴィ役を見事ゲットしたといい、マーベル作品のような大作にあまりにもすんなり受かってしまったことに拍子抜けしたと米Varietyのインタビューで語っていた。

 ソフィアがシルヴィ役に適任だと判断した制作陣は、もちろん彼女が出産を控えていることを承知しており、衣装担当のクリスティーンの心遣いも、“働く両親たちにやさしく”というマーベルのポリシーを反映したものだったよう。

画像: 衣装デザイナーのクリスティーン・ワダ。映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』や映画『ゾンビランド:ダブルタップ』のコスチュームデザインに携わった経歴を持つ。

衣装デザイナーのクリスティーン・ワダ。映画『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』や映画『ゾンビランド:ダブルタップ』のコスチュームデザインに携わった経歴を持つ。

 マーベルでは、キャストたちに私生活を優先してストレスなく仕事をしてもらうため、もしも何かしら不都合があるなら、周囲のスタッフが万全の体制でサポートするというポリシーを掲げている。 

 ドラマ『ワンダヴィジョン』で主役を務めたエリザベス・オルセンは、同作への出演と映画『ドクター・ストレンジ』の続編『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』への出演を打診された際、「もし子供が欲しいと思った場合、いつ子作りについて計画したらいいでしょう?」とマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長に聞いてみたそう。すると、ファイギ社長からは「君の好きな人生を生きればいい。僕たちがそれに合わせるから」と心強い返事が。

画像: ファミリーフレンドリーなマーベル

 仕事と出産・育児を両立していけるだろうかという不安を軽くしてくれたファイギ社長の言葉について、エリザベスは「正直、世の中のボスが言える、最高の答えだと思う」と絶賛している。(フロントロウ編集部)

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