アジア系に対する人種差別用語を口ずさんでいた過去が浮上して問題になっていたビリー・アイリッシュが、「今では全くもって同意しないか、もしくは正反対のことを考えている」過去の言動が残ってしまうインターネット社会について語った。(フロントロウ編集部)

アジア系の人々に対する人種差別疑惑が浮上したビリー・アイリッシュ

 7月30日にセカンドアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー(Happier Than Ever)』のリリースが控えているビリー・アイリッシュに先日、TikTokに投稿された動画がきっかけでアジア人への人種差別疑惑が浮上。動画は、10代前半の頃のビリーが、アーティストであるタイラー・ザ・クリエイターの2011年の楽曲「Fish」に合わせて、歌詞に含まれる、中国系の人々に対する蔑称を口ずさむというもので、ビリーはその後、インスタグラムストーリーズに投稿した声明で謝罪した。

画像: アジア系の人々に対する人種差別疑惑が浮上したビリー・アイリッシュ

 ビリーは投稿した謝罪文のなかで、当該の動画について自身が「13歳か14歳の頃」のものだと説明した上で、「私は当時、それがアジア系コミュニティの方々に対する蔑称だと理解していませんでした。私は絶句していますし、恥ずかしく思うと同時に、1度でもそのような言葉を口ずさんでしまったことに吐き気を覚えます。それまで、私の周囲にいる家族であの言葉を使ったことがある人はいなかったため、あの言葉を聴いたのはあの曲が初めてでした。私の無知さや幼さを抜きにしても、傷つけてしまったという事実の言い訳にはなりません。そのことについて、申し訳なく思っています」と謝罪の言葉を綴った。

インターネットで過去の発言が発掘されることについて語る

 今回、ビリーは表紙を飾った豪Vogueとの最新インタビューのなかで、「今では全くもって同意しないか、もしくは正反対のことを考えているということも、たくさん言ってきた」と、過去には今とは考えが異なる趣旨の発言も行なってきたことを認めている。

画像: インターネットで過去の発言が発掘されることについて語る

 豪Vogueによるインタビューが、アジア系に対する過去の言動が問題視されて以降に行なわれたものかは定かではないものの、ビリーはそのなかで、インターネットで過去の言動が発掘されて問題視されることに触れて、「最も奇妙なのは、一度インターネットに載ってしまえば、永遠に消えることがないということ。私が15歳の時にしたインタビューは今も全部アップされているし、そのことについてはよく考えているんだ」と語っている。

 「世の中が自分の人生のあらゆる側面を見て、そのことを思い出すことができるなんて、本当に奇妙だよ」と続けたビリーは、自身の過去の言動には申し訳なく思っているものもあるとして、「インターネットはあらゆる人たちの過去を掘り起こすけど、『過去についてはみんな心から恥ずかしく思っているし、申し訳なく思っているということが分からないの?』って私は思う」と、自身が反省していることでもネット上で過去の言動が掘り起こされてしまうことに苦言を呈している。

 「あなたが自分の過去を恥ずかしく思っているように、みんなもそれぞれの過去を恥ずかしく感じているっていうことは考えないの? って」。

 ビリーはここ最近、アジア系に対する蔑称を口ずさんだ動画が発掘されただけでなく、日本でもアニマックスで放送されていた『ブーンドックス』という作品に登場する、黒人文化に憧れて“ブラックセント(blaccent)”と呼ばれる黒人特有のアクセントで話す白人女性のキャラクターについて語った数年前のインタビュー動画が発掘され、「文化の盗用を良しとしている」と一部の人たちから問題視されるなど、過去の言動などがきっかけでビリーは“落ち目”にあるとTikTokユーザーの1人から揶揄される事態にもなっているのだが、ビリーはこれに反論している。(フロントロウ編集部)

 

 

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