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ビリー・アイリッシュを見舞う相次ぐ炎上
18歳という、女性としては史上最年少でグラミー賞の主要4部門を制覇し、その翌年にも年間最優秀レコード賞を受賞するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進してきたシンガーのビリー・アイリッシュだが、セカンドアルバム『Happier Than Ever(ハピアー・ザン・エヴァー)』のリリースを目前に思わぬ逆風に見舞われている。
6月にリリースしたシングル「LostCause(ロスト・コウズ)」のミュージックビデオで女性たちと絡む様子が、“性的指向の曖昧さ”をほのめかすことでLGBTQ+の視聴者や消費者をはじめ、世間の注目を集めようとする商業戦略「クィア・ベイティング(Queer Baiting)」にあたるのではないかと一部の人々から指摘が。
これをきっかけに、ビリーに対する“粗探し”が加速。10代前半の頃にSNSに投稿した、ラッパーのタイラー・ザ・クリエイターの2011年の楽曲「Fish」に合わせて、歌詞に含まれる中国系の人々に対する蔑称を口ずさむ動画が発掘されて本人が謝罪する事態にまで発生。
さらに、つい先日は、数年前にお気に入りのアニメキャラクターについて語ったインタビュー動画が発掘されたのだが、日本でもアニマックスで放送されていた『ブーンドックス』という作品に登場する、黒人文化に憧れて“ブラックセント(blaccent)”と呼ばれる黒人特有のアクセントで話す白人女性のキャラクターを挙げたことで、「文化の盗用を良しとしている」とビリーの過去の言動に眉をひそめる人々が現れた(※)。
※ちなみにビリーは、このシンディというキャラクターが好きな理由について、「どんな時も友だちを守るから」と説明しており、黒人文化に傾倒しているからだとはひとことも言っていない。
自身は“落ち目”だという声に反論
性的指向を世間に明かすも明かさないも個人の自由だが、「Lost Cause」のMVに関して、男性恋人マシュー・タイラー・ヴォースの存在が発覚したばかりのビリーが「I love girls(女の子が大好き)」と真意のほどがわかりにくい発言をしたことに不満を示す人も。
さらに、ビリーはアジア人侮蔑発言に関する謝罪の中で、「私の無知さや幼さを抜きにしても、傷つけてしまったという事実の言い訳にはなりません」と謝ったのだが、これをビリーが“若気の至りだと説明した”と解釈して納得がいかないという人たちもおり、そういった一部の人たちの間で反感を強めている。
そんな人々は、これまでトントン拍子でスターダムを駆けあがり、向かうところ敵なしのように見えたビリーが障壁にぶつかる様子を“落ち目”だと嘲笑。
これに対し、ビリーがTikTokに投稿した動画を通じて反撃した。
最新シングル「NDA」をBGMに使い、SNS上で見かけた「ビリーが最近イケてないって思うのは私だけ? それとも、彼女は今、失敗期なのかな?」というコメントに対して、含み笑いのような意味深な表情を浮かべる様子を公開したビリー。
@billieeilish literally all i see on this app… eat my dust my tits are bigger than yours
♬ NDA - Billie Eilish
キャプションには、「このアプリで見かけるのはこんなのばっかり…。私の粉塵でも食らってな、私のおっぱいのほうがアンタのより大きいんだから」と、グラマラスだと評判な自身のバストのサイズをイジるという、ダークユーモアをまじえた挑発的な言葉が記されていた。
「私の粉塵でも食らってな(eat my dust)」という表現は、レースを制しているのは自分であり、文句がある人は勝手に“遅れをとっていればいい”という意味にもなる。ビリーとしては、アンチによる粗探しに屈するつもりはなく、このまま走り続けるという意思表示のよう。(フロントロウ編集部)