スカーレット・ヨハンソン、映画界を揺るがす訴訟
スカーレット・ヨハンソンによるディズニーへの訴訟問題が映画界を揺るがしている。
マーベル・スタジオが手がけるMCUでブラック・ウィドウ役として9作品に出演してきたスカーレットは、2021年7月に公開された映画『ブラック・ウィドウ』が、劇場公開とほぼ同時にディズニーの定額制動画配信サービス、ディズニープラス(Disney+)のプレミアアクセスで配信されたことで大きな損失を被ったとして、親会社であるウォルト・ディズニー・カンパニーを訴えた。
ギャラに映画の興行収入に対する利益が含まれていたスカーレットが被った損失は、5,000万ドル(約54億円)にのぼるといわれている。
ウォルト・ディズニー・カンパニー側は、スカーレットの主張はパンデミックの長期化を無視した自己中心的なもので、追加報酬を得るためのものであると痛烈に批判。それに対してスカーレットの代理人は「彼らは、ヨハンソン氏が新型コロナウイルスという世界的パンデミックに対してあたかも無神経であるかのように、臆面もなく不当に非難しました。これは、彼女のイメージを彼らも私自身も知らない別の誰かかのように操作するためのものです」と徹底抗戦の構えを見せている。
そんななか、ハリウッドにおける女性の権利を守る活動をする団体がスカーレットを非難したウォルト・ディズニー・カンパニーを批判する声明を出した。
スカーレット・ヨハンソンを擁護する声
ハリウッドで働く女性の権利を守る団体のWIF、ReFrame、TIME'S UPは、今回の訴訟事件について、スカーレットをサポートする声明を共同で発表。ディズニー側の対応を、「ジェンダーに基づく人格攻撃」だと批判している。
「スカーレット・ヨハンソンとウォルト・ディズニー・カンパニーとの間に起きている訴訟におけるビジネス上の問題について、私たちはいかなる立場もとりませんが、契約におけるビジネス上の権利を守ろうとしたヨハンソン氏を無神経で利己的な人物と決めつけようとするディズニーの最近の声明には断固として反対します」
「このようなジェンダーに基づく人格攻撃は、ビジネス上の争議にはふさわしくなく、女性や少女が男性よりも劣っていると認識させ、名誉毀損の批判を受けることなく自らの利益を守ることができない環境を助長するものです」
Hollywood Reporterの記者いわく、今回のスカーレットの勇気ある行動を擁護するショービズ関係者は多いという。本件がきっかけで、コロナ禍でさらにストリーミング市場が加速した現代において、クリエイターや出演者が配給元に対して権利や報酬の保証を求める動きが加速する可能性も考えられている。
今回の声明に対し、スカーレット、ウォルト・ディズニー・カンパニー両者ともにまだコメントは出していない。(フロントロウ編集部)