誤った海流に乗ってしまい、故郷から遠く離れたアイルランドに流れ着いた絶滅危惧種の若いウミガメ。しかし帰りは、エアリンガス航空のフライトEI 782に乗ることに成功!(フロントロウ編集部)

絶滅危惧種のアカウミガメを故郷へ送り届ける作戦

 アイルランドの航空会社エアリンガスが、公式ブログでなんとも可愛らしい搭乗者を紹介した。エアリンガスに搭乗したのは、JCと名づけられた若いアカウミガメ。

画像1: 絶滅危惧種のアカウミガメを故郷へ送り届ける作戦

 絶滅危惧種であるアカウミガメは温暖な気候で暮らす種なのだが、JCは生後9ヵ月の頃にアイルランド北西部ドニゴールの海岸で発見された。発見当時、冷たい水温のせいで低体温症にかかり、体重はわずか数百グラムだったというJC。現地のエクスプロリス水族館にすぐに運ばれると、そこの熱帯水槽で療養を始めたという。

 その後にJCを襲ったのが、世界中の人の生活を一変させた新型コロナウイルスのパンデミック。コロナの規制のせいで故郷スペインへの帰国が先延ばしになってしまっていたが、最近ようやくコロナの規制も緩和されたことを受けて、JCの帰国作戦が決行。往路は海からやってきたJCだが、復路は空から行くことにし、エアリンガスで飛ぶことになった。

画像2: 絶滅危惧種のアカウミガメを故郷へ送り届ける作戦

【関連記事】体はダルメシアン風、顔はダックスフントの奇跡の犬に目がハート

 JCはつねに体温が19度以上に保たれないといけないうえ、定期的なモニタリングと甲羅への注油を必要とするため、貨物室での輸送は無理。そのためエアリンガスはJCのために数列分の席を確保。そのうえ、搭乗券もしっかり発行してくれた。JCのために特別にデザインされたウォータープルーフのクレートは座席にしっかりと固定され、JCはスペインのカナリー諸島への約4時間半のフライトを安全に楽しんだ。

画像3: 絶滅危惧種のアカウミガメを故郷へ送り届ける作戦

 この日のキャプテンを務めたピーター・ラムズデンは、「本日、カメのJCという特別なお客様をお迎えし、グラン・カナリア島まで安全に輸送することができ、大変嬉しく思います。最初に連絡を貰って以来、エアリンガスはJCのすべてのニーズを満たしてこの重要なミッションを完了するために、エクスプロリス水族館のチーム、メンテナンス&エンジニアリングチーム、グランドオペレーションチームと密接に協力しきました」とコメント。そして最後に、こう締めくくった。

 「このフライトに搭乗した私たち全員と同じように、彼も着陸後の暖かい気候を楽しみにしていることでしょう」

 JCは到着後はタリファ野生動物回復センターで過ごし、温かい気候に慣れたことを確認でき次第、自然に返される予定だという。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.