ニコロデオンのドラマ『iCarly』のサム役で人気を博した俳優のジェネット・マッカーディが、幼少期に母親から受けていたという虐待を告白した。(フロントロウ編集部)

※この記事には虐待や摂食障害に関する具体的な体験談が書かれています。

舞台『母親が亡くなって嬉しい』を上演中のジェネット・マッカーディ

 2007年から2012年にかけてニコロデオンで放送され、ここに日本でも人気の作品だったドラマ『iCarly』や、アリアナ・グランデと共演した『サム&キャット』のサム役で知られる俳優のジェネット・マッカーディ(29)が、米Peopleとのインタビューで幼少期に母親から受けたという虐待について打ち明けた。

画像: 舞台『母親が亡くなって嬉しい』を上演中のジェネット・マッカーディ

 『iCarly』は今年6月、米パラマウントの動画配信サービス「Paramount+」でリブート版が配信されたが、ジェネットは参加せず。今年3月に俳優業からは引退したことを明かした。一方で、現在は『I'm Glad My Mom Died(原題)』と題された1人舞台を上演している。

 日本語で『母親が亡くなって嬉しい』を意味するショッキングなタイトルがつけられているこの舞台は、1時間におよぶ喜劇で、公式サイトには、「自分の母親の死が最悪なことから人生最高なことへと変わったこと」についての劇と記されている。

ジェネット・マッカーディが母親から受けていた虐待を告白

 今回、ジェネットは米Peopleとのインタビューで、母親のデビーから受けていたという精神的・肉体的な虐待を打ち明けている。ジェネットによれば、母はかつて俳優になることを夢見ていたといい、ジェネットが6歳の頃から、自分の娘を俳優にすることに執着し始めたという。

 ジェネットは当時から、「シャイ」な正確だった本来の自分を抑えてオーディションなどに臨んでいたとして、「平穏を保つのが私の仕事だと感じていた」と、幼いながらに母親との間に波風を立てないようにしていたと明かした。

画像: 2009年に共にイベントに出席した母デビーとジェネット。

2009年に共にイベントに出席した母デビーとジェネット。

 11歳になる頃には、母親から食事制限を課されるようになったといい、1日に摂取できるのは1,000カロリーまで(※)という生活を送っていたと明かしている。「もっと(摂取カロリーが)少なかった日もあった。ママに誇らしく思ってほしかったから」とジェネットは米Peopleに語り、こうした食事制限がきっかけで拒食症になったと振り返った。

11歳の女性は一日に約2000カロリーの摂取が奨励されている。

 そして、ジェネットが18歳になった時に、母親がガンを再発。すると、デビーの拒食症は、「食べ続けるという症状」に変わったという。「目に入るものすべてを食べていた。すごく食べ物を欲していたの」とジェネット。自身が21歳になった2013年に母親が亡くなると、「すぐに過食症になった」といい、次のように振り返った。「1日に10回は嘔吐してしまっていたけど、私には止めることができなかった。過食症の繰り返しで、私は麻痺してしまったの。私はフルタイムで仕事に臨んでいたから、自分の問題や、母親の死を悲しむ余裕がなかった」。

 また、ジェネットは同じインタビューのなかで、17歳になるまで母親から膣や乳房の検査をされたことや、1人でシャワーを浴びさせてもらえなかったことも告白。母親の支配によって「抑圧されていたように感じ、自立も遅れた」と振り返った。ジェネットによれば、初めてのセックスや飲酒も、母親が亡くなってから体験したという。

ミランダ・コスグローヴ宅での出来事が変わるきっかけに

 そんなジェネットが自分の問題を深刻に捉えるようになったのは、『iCarly』で共演していたミランダ・コスグローヴの自宅に遊びに行った時に、バスルームで気を失ってしまった時だったという。「すごく恐ろしかった。私は自分の吐瀉物を喉に詰まらせて、死ぬ可能性だってあった」と米Peopleに語った。

画像: ミランダ・コスグローヴ宅での出来事が変わるきっかけに

 「自分自身を破滅に追い込むことは何の解決にもならないことに気が付いたの」とジェネットは当時を振り返っている。「もっとマシなツールが必要だって」。

 ジェネットはその後、セレピーに2年ほど通い、今では摂食障害を克服して、母親の死とも折り合いをつけられたという。「私は心から、そして力強く、自分はついに克服したということができる」と米Peopleに語った。(フロントロウ編集部)

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