女性に対する暴力防止法(VAWA)の再承認に尽力した俳優のアンジェリーナ・ジョリーが、この法律に対する特別な思いを明かした。(フロントロウ編集部)

アンジーが女性に対する暴力防止法への“特別な思い”を明かす

 俳優や監督として活動するかたわら、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使も務めるアンジェリーナ・ジョリーが、先日、ジョー・バイデン米大統領によって再承認された「女性に対する暴力防止法(Violence Against Women Act/VAWA)」への特別な思いについて、ホワイトハウスで開催された記念式典で語った。

 「女性に対する暴力防止法」は、性的暴行やドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力、DV)の被害から女性たちを守るために1994年に制定された法律で、2018年に失効したものの、昨年3月、移民やLGBTQ+、アメリカ先住民の女性に対する保護を強化するため、同法の再承認と拡大を目的とした法案が超党派の下院議員によって可決され、今年3月にバイデン大統領が署名したことで再び承認された。

 「あなたが誰であれ、一度でもこのシステムに触れて、このシステムがいかに信じられないほど壊れているかを理解したら、それを改善するために何かをしなければならないと思います。今は子供たちの健康を第一に考えています。そして、ここ数年、私が重視しているのは家族を助けることです。ほかの家族や女性を守るための法改正を支援し、彼女たちの物語に焦点を当てるためです」

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 再承認実現に尽力したアンジェリーナはこう話すと、続けて、実際には法執行機関や裁判所が虐待の申し立てをすぐに却下してしまうという厳しい現実を明かした。

 「この国は、家庭内暴力や児童虐待の問題がいかに深刻であるかを認識していないのだと思います。そして、誰かが子どもに危害を加えたとき、それが他人であったとしても、法律がそれをどう見るか、どう対応するか、それは非常に強いという現実があります。それが家族のなかの誰か、家庭のなかの誰かである場合、反応は鈍くなります。実際、子どもにとって、それはいろいろな意味で最悪です」

 ちなみに、ご存じの方も多いと思うが、アンジェリーナは親権や財産分与をめぐっていまだ法廷闘争を続ける別れた夫で俳優のブラッド・ピットとの婚姻中に、ブラッドが息子のマドックスに手をあげたとしてFBIに捜査された出来事があった。その後、FBIはブラッドによる虐待はなかったと結論づけているが、アンジェリーナ側はブラッドによる家庭内暴力の証拠と根拠があると法廷で主張している。

 そういった背景もあってか、アンジェリーナはこの法律は自分にとって個人的に思い入れがあるとしたうえで、「誰にとっても個人的な問題です。家族を大切に思う人、子どもを大切に思う人、自分の安全と地域社会の健康を願うすべての人にとって個人的なことなんです」と、決して他人事ではないと念を押している。(フロントロウ編集部)

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