『プリティ・プリンセス』3作目についてジュリーが思い
2001年に公開されたヒット作であり、今では世界的スターとなったアン・ハサウェイのデビュー作でもある『プリティ・プリンセス』。2004年には『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』が公開され、こちらはクリス・パインの長編デビュー作となるなど、ストーリーラインも当然のことながら、ゲイリー・マーシャル監督のセンスが光るキャスティングも評判を呼んだ。
そして、世代を超えた映画ファンを魅了した理由は、アンが演じたミアの祖母で、ジェノビア王国のクラリス女王をジュリー・アンドリュースが演じたこと。ジュリーの存在感と女王という役どころはぴったりで、さらに彼女は、1997年に医療ミスでその美声を失って以降歌うことは避けていたが、『プリティ・プリンセス2』では少しの歌声も披露。多くのファンの涙を誘った。
『プリティ・プリンセス』の3作目については、マーシャル監督が2016年に制作に意欲を見せていたが、監督は2016年7月に死去。しかし、アンは2019年に3作目の脚本が出来上がっていることを明かしていたが、今年で87歳となるジュリーは、続編制作は可能ではないと考えていると、米ETに明かした。
「それをするにはもう遅いと思います。続編については何年も前に話がありました。でも通らなかった。そしてゲイリーは去ってしまった。とくに私にとって、今ではもうそこに戻るのは遠いことです。(続編制作は)すごく素敵なことだと思います。しかし可能ではないと思います」
マーシャル監督がもういない今、続編を作らないという選択に理解を示すファンは多いだろう。しかし、『プリティ・プリンセス』の制作はジュリーのなかで良い思い出になっているよう。ジュリーと監督は1歳違いだが、意外にも本作までに会ったことはなかったそうで、撮影中は監督の寛大さに触れたと明かした。
「初めて彼(監督)に会った時…、私はあの役まで彼に会ったことがなかったのだけれど、素敵な質問をしてくれました。“ジェノビアはどこにあると思う?ジェノビアは何で有名だと思う?”といったね。私はふざけたことを言いましたよ。“その国にいる修道女たちはレースを作って、それを輸出することはしない。そしてその国は、非常に美しい洋ナシの木と実で有名かもしれない”とね。すると、セットのそこら中に洋ナシがあって、レースの衣装も多かった。彼はみんなの意見を大切にしていたんです」
『サウンド・オブ・ミュージック』を代表作に持つジュリーが、修道女の設定を考えていただなんて、素敵なエピソード。3作目がなくとも、『プリティ・プリンセス』の全2作品はこれからも多くの少女たちに愛されていくだろう。
(フロントロウ編集部)