イギリスのグラストンベリー・フェスティバルに初出演したオリヴィア・ロドリゴがステージでリリー・アレンと共演。リリーの代表曲である「Fuck You(ファック・ユー)」をパフォーマンスして、中絶の権利を認めた判決を覆す決定をしたアメリカの連邦裁判所を批判した。(フロントロウ編集部)

オリヴィア・ロドリゴがグラストンベリー・フェスティバルに初出演

 現地時間6月24日〜26日にかけて、イギリスを代表する音楽フェスであるグラストンベリー・フェスティバルが英サマセット州のワージーファームにて開催され、今年のグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したシンガーソングライターのオリヴィア・ロドリゴ(19)が同フェスティバルへの初出演を果たした。

画像: オリヴィア・ロドリゴがグラストンベリー・フェスティバルに初出演

 現地時間6月25日にグラストンベリー・フェスティバルのジ・アザー・ステージに登場したオリヴィアは、デビューアルバム『サワー』の1曲目「brutal(ブルータル)」からパフォーマンスをスタート。

 自身のツアーのセットリストに必ず組み込んでいるアヴリル・ラヴィーンの「Complicated(コンプリケイテッド)」のカバーや、自身が主演を務めるディズニープラスのドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』の劇中歌である「All I Want(オール・アイ・ウォンテッド)」なども披露しながら、『サワー』の収録曲を中心としたセットをパフォーマンスした。

リリー・アレンと共演し「Fuck You」を連邦最高裁判所の判事に捧げる

 この日のステージでは、グラストンベリーという祭典にふさわしいサプライズも用意されており、オリヴィアはセットの終盤でシンガーソングライターのリリー・アレンと共演。フェミニストで、ドラマ『ストレンジャー・シングス』のデヴィッド・ハーバーの妻としても知られるリリーと共に、リリーの代表曲の1つである、日本語で「くたばれ」を意味するタイトルがつけられた「Fuck You(ファック・ユー)」をパフォーマンスした。

画像: オリヴィア・ロドリゴとリリー・アレン

オリヴィア・ロドリゴとリリー・アレン

 オリヴィアはリリーとの「Fuck You」をパフォーマンスするにあたり、前日の6月24日にアメリカ最高裁が女性の中絶の権利を認めた判決である“ロー対ウェイド”を覆す決定を下したことに言及。アメリカで約50年守られてきた女性たちのリプロダクティブ・ヘルスの権利を奪う判決を下した、5人の保守派の判事の名前を出しながら、オリヴィアは力強く次のように語った。

 「私は打ちのめされているし、本当に恐ろしい気持ち。多くの女性や女の子たちが、このせいで死ぬことになる。次の曲は、結局は自由について微塵も気にかけていないということを示した、連邦裁判所の5人の判事たちに捧げます。サミュエル・アリート、クラレンス・トーマス、ニール・ゴーサッチ、エイミー・コニー・バレット、ブレット・カバノー、私たちはあなたたちが憎い!」

 一方、リリーもオリヴィアが判事の名前を挙げるごとに中指を突き立て、決定への抗議を示した。オリヴィアとリリーによる「Fuck You」のパフォーマンス動画はコチラ。

 オリヴィアはリリーと共演するにあたり、次のように語っている。「これは私にとって初めてのグラストンベリーで、そのステージをリリーとシェアできることを夢のように思っているけど、それと同じくらい、昨日アメリカで起きたことに心を痛めてる」。

 現在のアメリカの最高裁は6対3で保守派に偏っており、その判事を選んだのは選挙によって選ばれたリーダーたち。アメリカで今起きていることは、投票という行為が巡り巡ってどれだけ国民の生活だけでなく権利にまで影響を与えるかをあらわしている。この件は、自国のリプロダクティブ・ライツの制度に目を向けて、適切な変化を起こしてくれるリーダーを選ぶきっかけにするべきではないだろうか。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.