AdidasとYeezyのパートナーシップが解消
「反ユダヤ主義的なことを言っても、アディダスは俺を手放せない。さぁどうする!? 次は何だ!?」。ユダヤ系に対する差別的な考えを語り続けていたカニエ・ウェスト(本名:Ye)がポッドキャスト番組『Drink Champs』でそうまくしたててから1週間強、ついにアディダスがカニエとのパートナーシップ解消を発表した。
アディダスは声明でこう語った。
「アディダスは反ユダヤ主義やその他いかなる種類のヘイトスピーチも容認していません。Yeの最近の発言や行動は、受け入れがたい、憎悪に満ちた危険なものであり、多様性と包括性、相互尊重と公平性という会社の価値観に反するものです。
慎重に検討した結果、当社はYeとのパートナーシップを直ちに終了し、Yeezyブランド製品の生産を終了し、Yeと彼の企業への支払いをすべて停止する決断を下しました。アディダスはAdidas Yeezyの事業を即刻停止します」
同社は、この決定は2022年の純利益に最大で2億5000万ユーロ(約370億円)の短期的なマイナスの影響を及ぼすとしている。
カニエは10月に入ってからユダヤ系への差別的な発言を繰り返しており、今週、エージェントのCAAや長年のコラボレーターだったバレンシアがカニエと関係を絶つことを発表。先週末には、白人至上主義者たちがナチスの敬礼をしながら「ユダヤ人に対するカニエの意見は正しい」というバナーを掲げ、セレブリティの発言が持つ影響力に責任を持つべきだとして、多くのセブリティがユダヤ系コミュニティを擁護する投稿やカニエの行動を批判する投稿を行なっている。
カニエのユダヤ系をターゲットにした発言がスタートしてから、対応を迫られていたアディダス。俳優のジェイミー・リー・カーティスは、アディダスの「不可能なんてありえない」というスローガンに触れて、「カニエは間違っていて、アディダス、あなたのモットーも間違っています。“不可能なんてありえないは“何も言わないなんてありえない”になるべきです」とインスタグラムに投稿していた。世間の声が強まるなか、アディダスが約9年に及ぶカニエと関係に幕を下ろした。(フロントロウ編集部)