【キャリアの始まり】歌ったら大物が振り向く桁違いの才能を見せる
2歳の頃から2歳年上の姉クロエと歌っていたハリーは、11歳の時にクロエ&ハリーとしてYouTubeにカバー動画の投稿をスタート。初のカバー動画はビヨンセの「Best Thing I Never Had」だったのだが、今では700万回以上再生されているこの動画に魅了されたエレン・デジェネレスからのオファーで、動画投稿の数か月後には『エレンの部屋』に出演!
それから約2年後、13歳だった時に、今度はビヨンセの「Pretty Hurts」のカバーを見たビヨンセからアプローチが! ビヨンセのマネジメント会社Parkwood Entertainmentと正式契約し、ビヨンセのツアーでオープニングを任されたり、ビヨンセのビジュアルアルバム『レモネード』の映像作品に登場したりと、ビヨンセの申し子として寵愛されている。
【Chloe & Halle】 デビューから2枚連続が両方ともグラミー賞にノミネート
クロエ&ハリーとしては、2018年にデビューアルバム『The Kids Are Alright』で最優秀新人賞と最優秀アーバン・コンテポラリー・アルバム賞にノミネートされ、セカンドアルバム『Ungodly Hour』で最優秀プログレッシブR&Bアルバム賞にノミネートされ、デビューから2作連続でグラミー賞候補になるという偉業を達成。
さらに、姉妹でドラマ『Grown-ish』にもレギュラー出演して演技にも挑戦。現在はそれぞれソロ活動が忙しいが、ハリーは2023年に「私たちは一緒に音楽を作ることをまだ終えてない」と言ったので、R&B調の歌声を持つクロエとジャズ調の歌声を持つハリーの美しいハーモニーはまだまだ聴けるよう。
【リトル・マーメイド】ハリーの歌声を聞いた監督は涙した…!
ロブ・マーシャル監督とハリーの出会いは、『リトル・マーメイド』のオーディション。当時監督は、アリエルの美しい歌声、熱意、賢さ、ピュアさのすべてを体現できる役者を探しており、あらゆる人種の候補を検討していたのだが、オーディションでハリーが「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌い終わった瞬間、監督は泣いていたそう。
その場にいたプロデューサーのジョン・デルーカは「出会った瞬間から彼女は私たちがアリエルに求めるクオリティをすべて併せ持つ夢のような存在」だと確信するものがあったとプロダクション・ノートで語っており、マーシャル監督も「監督として一番望ましいのは、やってきた役者が『これは私のための役だ』と主張しているかのようにピッタリとハマることですが、ハリーの場合がまさにそれでした」と同調した。
【性格】もともとシャイな性格、アリエル役で“自分の声”を見つけた
プライベートでは礼儀正しく、控えめで、シャイだが、パフォーマンス中はパワフル。メンターであるビヨンセのようなキャラをしているハリーは、自身の性格についてはシャイだとあちこちで認めている。ただ、かと言って芯が弱いわけではなく、情熱的でエネルギッシュな“牡羊座らしさ”を持っているそうで、「自分の中にあるその炎が大好き」だとツイッターで明かした。
そんなハリーはアリエル役を演じたことで自分のシャイさをたくさん克服できたと感じているそうで、「映画の撮影が始まった頃の私は内気でシャイでした。でも結果的に、アリエルのように自分の殻を破って出ていけたのです。自分が必要なもののために声をあげる自信と勇気を持てるようになり、より成熟した人間になりました。アリエルのおかげで自分の声が見つけられたと思っています」とThe Los Angeles Timesに語った。
【ルックス】すっぴんが可愛すぎ! ナチュラル・ビューティ
インスタグラムでたびたび可愛すぎるすっぴん写真を公開しているハリー。『リトル・マーメイド』でも、このピュアな美しさが、アリエルのナチュラルなルックを形作る手伝いをした。ただ、もともとニキビに悩まされていたそうで、スキンケアをシンプル化することで克服したという。
ビューティアイコンは、歌声のアイコンでもあるビリー・ホリデイ。彼女のヴィンテージな美とグラマラスさが憧れなのだそう。「もちろん、ビヨンセとレジーナ・キングも。自分らしくあることを恐れない女性たちは、間違いなく私のビューティーアイコンです」とFashion Magazineに明かした。
【趣味】趣味はビーズでのアクセづくり、Etsyで販売していたことも!
すべてを忘れて没頭できるアクセサリーづくりが趣味。2021年には「ハレルヤジュエリー(hallelujahjewelry)」という店をオンラインマーケットEtsyに出店。ファンからデザインの注文まで受けて制作し、半年強で100点以上を販売。現在はさすがに忙しすぎるのか、出品数はゼロとなっている。
家では愛猫のポセイドン(※ギリシャ神話ではトリトン王の父の名前)を飼っていて、スタジオなどの現場に同行することも。お留守番の日は帰ってきたら赤子のように抱っこして歌ってやるなど、子どものように溺愛している様子をTikTokで公開している。
【親友】最大の理解者は2歳年上の姉クロエ
ハリーが2歳、クロエが4歳の頃からずっと一緒にパフォーマンスしている姉妹は親友同士。それぞれがお互いの最大のファンだそうで、自分を疑ってしまっているときに“あなたは素晴らしい”と訴えて気持ちを変えてくれる存在だと、姉妹はE! Newsに明かした。
ハリーがお手本として憧れるクロエはハリーの『リトル・マーメイド』出演も全面的に応援しており、映画のスクリーンテストにも同行。ハリーを見て感動のあまり「泣いた」とUs Weeklyで認めた。
【恋人】今のプリンスは知的ラッパーのDDG
アリエルにはエリック王子がいるが、ハリーにはDDG(本名:ダリル・ドゥエイン・グランベリー・ジュニア)という“王子”がいる。ラッパーとして活躍するDDGは、高校を主席で卒業したインテリ派。ハリーと同じくYouTubeで注目を集め、ラッパーデビュー。2023年にはForbesが選ぶ“最も影響力のある30歳以下の30人”で音楽部門に選出された新進気鋭のアーティスト。
ハリーは以前からYouTubeで彼のコンテンツを見ていたそうだが、交際に発展したのは、DDGがハリーにインスタグラムでDMを送ってから。2022年1月にアッシャーの公演で一緒にいるところが目撃されて熱愛説があがり、2022年3月のハリーの誕生日にDDGがインスタグラムでハリーを「最も美しく、かっこよく、優しい」人だと祝して交際を認めた。
結婚を前提とした付き合いだという2人。ハリーの姉クロエとの絆も深いようで、2023年4月にDDGが男友達のライブ配信に参加した時に、ひとりがクロエのソロアルバムの不調をネタにしたことに「お前らバカなことしてるよ」と不快感を示して即退出。クロエへの忠誠心を見せた。
【セレブ友達】ハリウッドのイットガール! アリアナ、ゼンデイヤなどが応援
ハリーのアリエル役起用について「どれだけ嬉しいか、どれだけワクワクしているか表現できない」と語ったアリアナ・グランデをはじめ、ハリーはセレブ界にファンが多数!
ハリーの『リトル・マーメイド』に関連する投稿には、「やったーーーー!最高に嬉しい(ゼンデイヤ)」、「鳥肌立っている(ダヴ・キャメロン)」、「高い才能がありとても優しいハリー・ベイリーと名前を共有できて光栄(ハル・ベリー)」、「あなたのことを誇りに思う。公開日にはみんなで行く(ニッキー・ミナージュ)」と、フロントロウ編集部で確認できたものだけでも30名以上のセレブが好反応を示しており、映画出演に対するリアクションとしては近年稀に見るハイレベル。ちなみに日本からは、大坂なおみが3つのハートで反応。大坂選手はインスタグラムでは62人のみをフォローしているが、その1人がハリーなのだ。
さらに映画公開後には、ドウェイン・ジョンソンをはじめ多くのセレブが劇場に足を運んで、実写版『リトル・マーメイド』に絶賛のコメントを残している。
【ファッション】GUCCI、メットガラ、ファッション業界からラブコール
アリエル役に起用されてからファッション界からのラブコールも絶えないハリー。2021年、2023年とメットガラに招待されているほか、イギリス版とアラビア版Vogueの表紙に登場。2023年にGUCCIのキャンペーンに出演したハリーは、クロエと一緒にクロックスの新アンバサダーにも就任した。
【影響力】涙腺うるうる…新しいプリンセス像に世界中から大反響
ハリーは才能あってこそアリエル役に選ばれたわけだが、黒人であるハリーがアリエル役に選ばれたことのインパクトは大きい。その影響力の大きさは、『リトル・マーメイド』の予告が初解禁されたときに世界中で投稿された、黒人少女たちのキラキラした反応や、ハリーがGuardianに語ったこの言葉からも分かる。
「(自分の幼少期に)もし黒人のマーメイドがいたら、クレイジーだったと思います。物事に対する考え方、自分の人生、自分に対する自信や自尊心のすべてが変わっていただろう思います。幼いころに、自分に似た人を見ることができるなんて。たいしたことじゃないって言う人もいますが、それは、彼らにはそういう存在がいたから言えることです。実際はとても重要なことなのです」
アメリカで2,200人の成人に行なった“シンガーから転向した俳優ランキング”という調査で、『リトル・マーメイド』公開前にもかかわらずハリーがトップ5に入ったことや、ハリー版のアリエルの人形がアマゾンのベストセラー1位を独走したことの背景には、そんな彼女が作り出したレプリゼンテーション(表象)のインパクトもあるのではないだろうか。
(フロントロウ編集部)