FRONTROW

「会えない時間」どう埋めてる? 遠距離恋愛×テクノロジーの新しいかたち

FRONTROW Editorial Dept.
BY FRONTROW Editorial Dept.
「会えない時間」どう埋めてる? 遠距離恋愛×テクノロジーの新しいかたち
WavebreakMedia/イメージマート

国際結婚に、海外赴任、リモートワークをきっかけにした移住。パートナーと離れて暮らすカップルは、もう珍しくない。会いたいのに会えない——そんな時間をどう過ごすかは、多くの人にとって身近なテーマになっている。そして海外では、その“距離”をテクノロジーで縮めようとする動きが広がっているという。(フロントロウ編集部)

遠距離恋愛は、もう「別れの理由」じゃない

ひと昔前まで、遠距離恋愛は“うまくいかないもの”の代名詞のように語られてきた。会えない寂しさやすれ違いが、そのまま別れの引き金になるそんなイメージだ。

けれど、働き方も暮らし方も多様になったいま、パートナーと物理的に離れて過ごす期間があること自体は、そこまで特別ではなくなった。関心はむしろ「どう乗り越えるか」に移っている。

その工夫も、どんどんアップデートされてきた。すっかり定番になったビデオ通話に加え、映画やドラマを同じタイミングで一緒に観られる同時視聴、オンラインゲームでの共闘、何気ない写真や短い動画を送り合えるアプリ。どれも「いま同じ時間を分け合っている」という感覚を保つための道具だ。

親密な時間にも、テクノロジーが入ってきた

こうした流れは、もっとプライベートな領域にも広がっている。セクシャルウェルネスの分野では、アプリと連動して離れた場所から操作できるデバイスが登場し、選択肢のひとつとして知られるようになった。

日本でも、この分野はぐっと身近になった。フロントロウでもこれまで、カップルで使うことを想定したスマートバイブや、初心者向けに設計されたモデルを紹介してきた。かつては口にするのもためらわれたテーマが、“ウェルネス”の一部として自然に語られるようになったのは、ここ数年の大きな変化と言っていい。

そんなアプリ連動型の一例が、Lovense(ラブセンス)の「Lush 4」だ。同社によると、Lush 4はGスポット向けに設計されたウェアラブルタイプの卵型バイブレーターで、専用アプリ「Lovense Remote」に対応する。ひとりで使うのはもちろん、近距離でも遠距離でも、パートナー側から操作できるのが特徴だという。体に沿うGカーブ設計、カスタマイズできる振動モード、IPX7の防水性能、暗い場所で光るLEDのしっぽライトといった仕様が公表されている。

「離れた相手と操作を分け合える」という発想そのものが、遠距離恋愛という状況と結びついて受け止められているようだ。

選ぶ前に、知っておきたいこと

便利そうに見える一方で、この種のデバイスはスマートフォンと通信でつながる製品でもある。取り入れるなら、いくつか押さえておきたいポイントがある。

まずは、プライバシーと通信まわり。アプリの権限設定や、誰と接続を共有するのかは、使い始める前に自分でしっかり把握しておきたい。それから衛生面。肌に触れるものだから、素材やお手入れの方法、防水がどこまで対応しているのかは、メーカーの案内を必ず確認しよう。そして何より大切なのが、パートナーとの合意だ。遠隔操作という機能の性質上、「どんな時に使うか、使わないか」まで含めて話し合えている関係であることが前提になる。

テクノロジーはあくまで手段であって、それ自体が関係を守ってくれるわけではない。それでも、会えない時間の埋め方に選択肢が増えたことは、遠距離のカップルにとって悪い話ではないはずだ。

正解のない距離と、増えていく選択肢

距離のある関係をどう続けるかに、決まった正解はない。連絡の頻度も、過ごし方も、カップルの数だけかたちがある。そのなかで、こうしたデバイスもまた「選べるもののひとつ」になりつつある。

背景にあるのは、セクシャルウェルネスという言葉が日本にも根づいてきたことだろう。生理や更年期がフェムテックとして語られるようになったのと同じように、パートナーとの関係や自分の体との向き合い方も、健康や暮らしの一部としてオープンに扱われる場面が増えた。専門店だけでなく、一般の売り場やオンラインでも手に取れるようになったことが、心理的なハードルを下げている。

遠距離恋愛のためのテクノロジーは、その延長線上にある。会えないさみしさをまるごと消してくれる魔法ではないけれど、“我慢するしかなかった”時代から“選べる”時代へ。その変化だけは、たしかなものと言えそうだ。

MORE

FEATURE

RECOMMEND