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婚約破棄寸前…「スタッグ・ドゥー」が「結婚を壊す」といわれる理由

FRONTROW Editorial Dept.
BY FRONTROW Editorial Dept.
婚約破棄寸前…「スタッグ・ドゥー」が「結婚を壊す」といわれる理由
Young Black Couple Elope in Wales UK

 英国発の結婚式前の伝統「スタッグ・ドゥー(Stag Do)」が、結婚生活が始まる前から信頼を壊すと専門家が警告している。海外での開催の22%にストリッパーが含まれるという統計が示す実態と、婚約破棄寸前に追い込まれた花嫁のケースを追った。(フロントロウ編集部)

「最後の自由」という思想こそが問題…専門家が語った警告

 スタッグ・ドゥーとは、英国やアイルランドで結婚式前に花婿が男友達と行なう独身最後の祝賀イベントだ。かつてはパブで飲み明かすスタイルが主流だったが、現在はゴーカートや脱出ゲームなどのアクティビティ型が増えている。英コメディアンのジャック・ホワイトホールが最近ミニゴルフで婚約を祝ったことも話題になった。

 一方、「最後の自由」としてストリップクラブを訪れるスタイルも続いている。英スタッグ企画会社「Chillisauce」の2026年の統計によると、海外スタッグ・ドゥーの22%、国内の13%にストリッパーまたはストリップクラブが含まれていた。

 リレーションシップ専門家でありベストセラー『Opened』の著者コートニー・ボイヤーは英Metroに「スタッグ・ドゥーの慣習自体は問題ではなく、時代遅れな思想が問題だ」と語った。「『最後の大騒ぎ』というフレーミングで語られているなら、その思想こそが会場の選択より深刻だ」と続け、「独身のように振る舞うことで結婚を祝うのは、混乱したメッセージだ。結婚は自由の喪失ではなく、意識的なコミットメントだ」と断言した。

実は、「スタッグ」の語源はケルト神話の神聖な雄鹿だった

 実は、「スタッグ」という言葉には深い歴史的背景がある。英語で「stag」は雄鹿を意味し、その強さと独立性からヨーロッパ文化において男性性の象徴とされてきた。英Rock My Weddingによると、「スタッグ・ドゥー」という表現が英国で定着したのは19世紀から20世紀初頭とされ、ケルト神話に登場する角の神「ケルヌンノス(Cernunnos)」——豊穣と野生の狩りを司る男性の象徴——との関連も指摘されている。

 「スタッグ」に相当する慣習は英語圏各地に存在し、呼び名が変わっても独身生活を祝う文化は世界規模で根付いている。しかし「スタッグ」という言葉に込められた神話的な重みは、この慣習が生まれた英国ならではのものかもしれない。

しかし、「約束を破られた」…婚約破棄を考えた花嫁の告白

 しかし、この慣習が引き起こす現実のダメージは深刻だ。英Metroが取り上げたRedditへの投稿で、結婚式まで2週間という花嫁が婚約解消を考えていると告白した。彼女と婚約者は「ストリッパーなし」という約束を交わしていたにもかかわらず、花婿はストリップクラブを訪れラップダンスを受けていた。「行動は言葉より雄弁だ。このまま結婚するのは賢明ではない」と彼女は綴った。

 英国の認定セラピスト(BACP登録)ロヤ・ロイルは「多くの女性がスタッグ・ドゥーに不安を感じるのは、『聞かない、語らない』という暗黙の文化があるからだ。その曖昧さが、結婚が始まる前から信頼を損なう可能性がある」と語る。「彼女の不安や屈辱感を軽視しない」とも続けた。

 コートニーも「スタッグ・ドゥーをめぐる不安は深刻に受け止めるべきで、それが結婚生活を少しずつ侵食する」と同意する。解決策として2人があげるのは、結婚前のオープンな対話だ。「不敬な行動とは何か、浮気の定義、懸念の伝え方を話し合っておくことが必要だ。信頼は『線を越えたかどうか』だけでなく、感情的な安全性に関わるものだ」とコートニーは語った。

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