M.I.A.がツアーをクビになった理由——キッド・カディが告げた言葉


ラッパーのキッド・カディが、ツアーのオープニングアクトを務めていた英国人シンガーM.I.A.を米国時間2026年5月4日にリリース(解雇)したと発表した。テキサス州ダラスの公演で政治的な発言が物議を醸したことが発端で、カディはInstagramで「攻撃的な発言は許さない」と宣言した。(フロントロウ編集部)
ダラス公演での発言——何が問題とされたのか
発端は米国時間5月2日、テキサス州ダラスのドス・エクイス・パヴィリオンで行われた公演だ。M.I.A.はパフォーマンス中のモノローグで、「私は共和党支持の有色人種というだけでキャンセルされてきた」と述べた。さらに「『Illegal』という曲は演れないかもしれないけど——でも、会場の中には(歌詞の内容に当てはまる人が)いるかもしれないね」という趣旨の発言も行い、一部の観客からブーイングが起きた。
じつは「Illegal」はM.I.A.が2010年にリリースした楽曲で、不法移民問題をテーマにしたものだ。その楽曲を文脈に置いてなされた発言だったが、内容をめぐって物議を醸した。
「ファンを傷つける発言は許さない」——カディが下した決断
しかしキッド・カディは、M.I.A.の行動を容認しなかった。ツアー開始前にすでに「攻撃的なことはしないでほしい」と彼女のチームに伝えていたと明かし、米国時間5月4日にInstagramへこう投稿した。「自分のツアーで、ファンを傷つけるような攻撃的な発言をする人間はいらない」。
米Deadlineによると、カディがマネジメントを通じてM.I.A.側に通知を送ったのはツアー開始前のことで、今回の対応は突発的なものではなかったという。
M.I.A.の反論——「Illegal」の本当の意味
M.I.A.はこれに対し、X(旧Twitter)で反論した。「『Illegal』は2010年に書いた曲。不当な法律に対して”F*** the Law”という意味で書いた。私はいつでもその言葉を信じている」と綴り、表現の背景を説明した。
キッド・カディが守ろうとしたのはファンにとって安全なライブ空間で、M.I.A.が守ろうとしたのはアーティストとしての信念だったかもしれない。それぞれが「守るべきもの」を違う場所に置いていた時、コンサートという空間で何が許され何が許されないのか——この騒動はその問いを静かに投げかけているかもしれない。












