白人の俳優ジョセフ・ファインズが、黒人のポップスターであるマイケル・ジャクソンを演じていることで論争となっているTV映画『アーバン・ミスズ』。そんな本作の予告編が公開され、劇中のマイケルの姿について、マイケルの娘で女優のパリス・ジャクソンが「侮辱」であると痛烈に批判した。
マイケル・ジャクソンの娘で女優のパリス・ジャクソン。
イギリス製作のTV映画である本作は、昨年のキャスティング発表時から、白人がマイケルを演じるという点に対して批判が殺到。さらに1月11日に予告が発表されると、ジョセフによるマイケルの姿に「ひどい」「冗談でしょ？」と、ファンからは呆れた様子の声が上がっていた。
ジョセフ・ファインズ演じるマイケル・ジャクソン（奥）と、ストッカード・チャニング演じるエリザベス・テイラー（手前）。
そんな本作のマイケルの姿に落胆したのは、娘のパリスも同じだった。予告編のマイケルの姿を見た娘のパリスが、自身のツイッター上で怒りをあらわにしている。
映画のマイケルの姿を批判
パリスは『アーバン・ミスズ』でのマイケルの姿について、「本当に気分を害されたわ。ほかの皆も同じように思っているはずよ。正直言って、吐きたくなったわ」と、強い口調で批判。
ジョセフ・ファインズ演じるマイケル・ジャクソン。
さらに、「私の父だけでなく、私の後見人であるリズ（エリザベス・テイラー）に対しても、明らかに意図的に侮辱していて、すごく腹立たしい」「敬意はないの？ 彼らはとても素晴らしい遺産を生み出すために、何年もの間、血と汗と涙を流して働いていたというのに。恥ずべき描写だわ」と、怒りをあらわにした。
またパリスは、「マイケルは黒人男性なのに、なぜ白人男性として描かれているんだ？」というファンのつぶやきに対し、「そのとおりよ！」と賛同。
「彼は幾度となく、自身のルーツに誇りを持っていると伝えていたわ。彼はこんなもの絶対に望まなかったと思う」と、白人のように描かれることは、ファンのみならずマイケル本人にとっても本望ではないはずだと主張した。
そのほか、マイケルの甥であるタージ・ジャクソンも、「不運にも、僕たち家族はこういったものに対処していかなくちゃいけない。どんな言葉を使っても、このあからさまな無礼を言い表すことはできないよ」と、本作を批判。マイケルの家族にとって、本作の彼の姿は受け入れがたいものであるよう。
一部では、本作の視聴をボイコットしようと呼びかける運動まで起こっており、『アーバン・ミスズ』は、公開前から多くの批判を集めることとなってしまった。英スカイアーツにて1月19日に放送される予定（日本公開は未定）の本作だが、公開後には、一体どんな反応が返ってくるのだろうか。
