「女優賞」「男優賞」をやめる
MTVムービー&TVアワードは、今年から「最優秀女優賞」「最優秀男優賞」など賞を性別で分けることをやめ、「最優秀俳優賞」と2つの賞を統一した。
その理由は、男優も女優も行っているのは同じ「演技」であり、性別に関係なく「素晴らしい演技」というのはただ「素晴らしい演技」であるという考えから。同じことをしているのに、それを分ける必要はないのではということから、1つの賞に統一された。
「最優秀俳優賞」の映画部門にはエマ・ワトソンのほか、映画『ローガン』のヒュー・ジャックマンや『スウィート17モンスター』のヘイリー・スタインフェルドなど、男女を合わせた計6名が選出されていた。
そんな「最優秀俳優賞」を見事受賞したエマが、男女平等を訴えるフェミニストのエマらしいスピーチを行った。
まず、「ワオ、本当にありがとう」とお礼を言ったエマは、「はじめに、このアワードについて語るべきだと思うの。受賞候補者を性別で分けていない、歴史上初となるこの賞は、何かを物語っているわ。私たちが、どのように人間としての経験を認識しているかについてね」とコメント。
さらにエマは、「演技というのは、自分自身を他の人の立場に置くことの出来る能力」であると説明し、「だからこそ、(その能力を示すにあたって、男と女という)2つの部門に分ける必要はないの」と、自身の意見を表明した。
受賞できたのは「ベル」の人柄のおかげ
またエマは、「私がいい演技をしたと思ってもらえているのならすごく嬉しいわ。だってすべての歌うシーンはとても恐ろしいものだったから」と、歌唱シーンに苦労したことを告白したあとで、「私がこの賞を貰えたのは、ベルという人物そのものや、彼女が象徴するものが理由だと思うの」と、ベルのキャラクターに感謝。
周りの意見にも振り回されず、好奇心や情熱をもって生きるベルを演じられて「楽しかった」ともコメントし、「多様性や知識、多様性への受け入れ、喜び、そして愛を称賛しているこの映画の一員になれたことを誇りに思うわ」と語った。
そのほか、エマは賞のプレゼンターであるアジア・ケイト・ディロンにも感謝をコメント。アジアは自身の性別を男性とも女性とも限定していない「ノン・バイナリー・ジェンダー」で、そんなアジアから今回の賞を受け取れたことは「意味深いもの」だと語った。
このエマのスピーチには、「素晴らしい」「心を動かされる」と賞賛の声が上がっている。
エマが「最優秀俳優賞」を受賞することとなった映画『美女と野獣』は日本でも先月21日より公開され、2週連続1位を獲得するなど好評を得ている。