大人気スニーカーに直筆の手紙を添えて
今週、米コロラド州・デンバーに暮らすタイラー・ウェズリーという青年の元にある贈り物が届いた。
差出人は、人気ラッパーのカニエ・ウェスト。
自宅に届けられた小包の中には、カニエがスポーツブランド、アディダス(Adidas)とのコラボで展開している人気スニーカー、「Yeezy Boost(イージー・ブースト)」の最新モデルが入っていた。
同シリーズは、新モデルがリリースされる度にショップに長蛇の列ができ、即完売。オークションで最高200万円もの高値で取引されたこともある大ヒットアイテム。
タイラーが受け取った、まだ一般には販売されていないカスタムモデルのスニーカーには、なんとカニエ本人からの手紙も。
彼がインスタグラムに投稿した写真には、こんな直筆メッセージが書かれたメモが写っていた。
「タイラー、キミはインスピレーションの源だ。キミは世界に不可能なことなんて何もないと教えてくれている。キミの旅をシェアしてくれてありがとう」-カニエ・ウェスト
歩くことができない男性にスニーカーを贈った理由
タイラーはじつは、5年前の交通事故により、肩から下が麻痺してしまっており、自分ひとりの力では歩くことができない。
しかし、重度の障害を抱えながらもリハビリやトレーニングに必死に取り組んだ彼は、医師さえも驚くほどの回復ぶりを見せ、現在では車いすを使う代わりに歩行器を使って歩いたり、短時間ながら自分で立ち上がることもできるように。
カニエは、「いつかまた歩けるようになりたい」という想いから、日頃のトレーニングの様子をインスタグラムを通じて発信しているタイラーの勇敢さに感銘を受け、感謝の気持ちと応援の意味を込めて、今回、自身が手がけたスニーカーを贈ることにしたよう。
事故から4年経ったことを振り返ったタイラーの投稿。首の後ろの大きな傷跡が怪我の深刻さを物語っている。タイラーは「以前よりも精神的にも肉体的にも、魂も強くなった」とポジティブなコメントを添えていた。
カニエ自身、2003年に命を失いかねないほどの交通事故を経験し、顎に大怪我を負ったことが。当時の自分とタイラーの姿を重ねたのかもしれない。
奇抜な言動で注目を浴びることが多いカニエだが、今回の件で、彼のソフトで優しい一面が垣間見えた気がする。