相次ぐセクハラ問題
全米を震撼させる大スキャンダルとなっている、大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ騒動。
この騒動から、過去にベン・アフレックがセクハラ行為をしていたことが明るみになってしまったように、今、ショービズ界でのセクハラ問題が相次いで発覚している。
これに対して多くのセレブが声明を発表し「今こそ女性たちが声をあげるべき」と、訴えている。
そんな動きのなか、ツイッター上で生まれたのが、「#WomenBoycottTwitter(女性がツイッターをボイコットする)」というハッシュタグのムーブメント。
現地時間の13日からはじまったこのムーブメントは、女性がツイッターを24時間、または一時的にボイコットすることで、性差別のない社会を実現させるために女性の権利の重要性を問題提起するというもの。
このハッシュタグは、それを啓発するものとしてワールドトレンド1位を独走している。
ツイッターをボイコットするハッシュタグ
ハーヴェイの被害者の1人である女優のローズ・マッゴーワンは、自身のツイッターで彼女がハーヴェイにレイプされたことなど、被害の内容を赤裸々に告白。
さらにベンについても、過去にローズがハーヴェイの被害に遭っていたことを知っておきながら、その点に一切触れず、声明ではあたかも初耳だったという言い回しをしたことに「うせろ」とコメントした。
そんな一連のツイートの後、ローズのアカウントはツイッターによって一時的にロックされた。
被害者であるにもかかわらずロックされたことに対して、ハッシュタグ「#WomenBoycottTwitter」の拡散はますますエスカレートし、ボイコットを決断する女性が急増。
これを受けてツイッターは、ローズのアカウントをロックした理由について、一連のツイートの中に個人の電話番号が記されていたことが規定違反となり、一時ロックの判断をしたと説明。
しかし、それでもこの騒動が収まることはなく、ついに女性の影響力の大きさや、ツイッターがこれまで以上に自由な意見を言えるプラットフォームになってほしいという希望も含めて、ツイッターが反応してくれることを求めた。
人気モデルも賛同
このハッシュタグに多くのセレブが賛同。人気モデルのクリッシー・テイゲンも「憎しみではなく愛があるからこそボイコットします。もっと良い場になるはずだから」とコメントし、ボイコットに参加することを表明。
しかしクリッシーがそのツイートをした3分後に、ボイコットを支持しない一部の男性たちから女性の権利までも蔑むコメントが寄せられた。
クリッシーはこれをスクリーンショットして投稿。
そこには匿名アカウントで「大丈夫だよ。あんたがいないツイッターの方が、フェミニストのビッチをディスれる」「お尻を叩かれるプレイは好き?」「わかったよビッチ消えろ」と、冷酷なコメントが記されてあった。
クリッシーだけでなく、女性の権利を支持するフェミニストをも踏みにじるコメントを、しかも匿名のアカウントで投稿するという汚いやり方。
ツイッターが被害者であるローズのアカウントをロックしたことで発展した、今回のムーブメント。
ツイッターはまだ反応していないけれど、世界中のユーザーひとりひとりの力によって、ますます大きな注目を集めている今回のハッシュタグ「#WomenBoycottTwitter」で、なにかが変わるとしたら、それは大きな一歩となるはず。
※追記:
このムーブメントを受けてTwitterの共同創設者兼CEOのジャック・ドーシーが、規定改善に取り組むコメントを発表した。以下全文訳。
「毎日のように多くの意見がツイッターで沈黙させられています。我々はこの2年間、この問題の解決に取り組んできました。とくに2016年はこれを重要課題とし、ポリシーの更新とチームの拡大に努めました。それでも十分ではなかったため、2017年にはこの問題を最優先課題とし、多くの成長を遂げたと思っております。しかしそれでもまだ足りず、今日我々は、自ら沈黙する者たち、意見を主張する者たちの声を聞きました。我々はここ数ヵ月集中的にこの課題に取り組み、今日、重大な決断をしました。これからはルールとその試行に対してより積極的な姿勢を取るつもりです。望まない性的勧誘、同意のないヌード、ヘイトシンボル、暴力的なグループ、暴力を美化するツイートに対して、新たなルールを設定します。数週間以内には改正案を実行に移すつもりです。来週には新たな報告ができると思っております」