奇跡のコラボが実現
ラッパーのエミネムとシンガーのビヨンセという豪華すぎるコラボが実現。現地時間の11月10日、コラボ曲「ウォーク・オン・ウォーター」がサプライズリリースされた。
ビヨンセの伸びやかで美しい歌声が際立つバラード調の楽曲でエミネムが吐露しているのは、これまで社会風刺や著名人に対する攻撃的なリリックなどを数多く生み出してきた彼にしては意外とも言える、自身が抱える不安や疑念など。
「神様なんかじゃない」
タイトルの「Walk on Water(ウォーク・オン・ウォーター)」とは、キリスト教の神であるイエス・キリストが水の上を歩くことができたとされていることにちなんだもので、「不可能と思われることをやってのける、奇跡を起こす」などという比喩にも使われる表現。
ビヨンセが歌うコーラス部分では「I walk on water/ But I ain’t no Jesus/ I walk on water/ But only when it freezes(私は水の上を歩く/でも私は神様なんかじゃない/私は水の上を歩く/でも凍った時だけ)」と繰り返されている。
さらに、エミネムのラップ部分では「どうしてこんなにも期待されてしまっているんだ?」、「韻はいつも完璧でなきゃならないし、パフォーマンスも非の打ち所がないものでなきゃならない」、「若い奴らは俺のことを神と崇めるけど、そんなの異常だ。彼らは知らないけど、これは表向きだけで実際はすごく消耗してる」などの、世間の期待に押し潰されそうになるトップアーティストとしての苦悩や人間らしい弱さが垣間見える一節が。
さらにビヨンセが歌うブリッジでは「私だってあなたと同じでただの人間/間違いを犯すことだってある/あなたは知らないかもしれないけど/そんな風に私のことを信じるべきじゃないと思う/だって私はあなたを失望させることが怖くて仕方ないんだから」という歌詞も。
長年にわたりヒップホップ界のトップを疾走し続けるエミネムと、ポップ界の女王の名を欲しいままにしているビヨンセ。
世界中の人々に支持され、それぞれファンたちの間で神のごとく崇められ“神格化”されている2人が「私は神様なんかじゃない」、「自分もみんなと同じただの人間」だとソフトな一面をさらけ出した同曲は不思議と心に染み入ってくる。
「ウォーク・オン・ウォーター」は11月中のリリースがウワサされているエミネムの最新アルバム『リバイバル』に収録予定。詳しいアルバムのリリース日などは、エミネムの公式SNS等で近日発表されることが予想される。