男女間での「賃金格差」
キャット・サドラーは、『E!News』の放送局であるE!エンターテイメントの別番組のキャスターも担当していたが、彼女と同じ仕事量をこなす同期の男性キャスターとの間には、2倍近くもの賃金格差があったことを自身のウェブサイトに発表した声明文で明かした。
男女による賃金格差があることを知ったキャットは、同局に対して妥当な報酬がもらえるように交渉をしてきたが、何度も断られてきたという。
声明文では、「業界トップの仲間と一緒に番組を続けるのが本当の望みでした」と語りながらも、いまだ残る男女間の賃金格差が解消されることを願って、同局の全番組の降板を決断。
12歳と16歳の息子を持つシングルマザーのキャットにとって番組の降板は、今までしてきた仕事がなくなるため、経済的にもダメージが大きい。
キャット声明文には、そんな状況でも世の中を変えようとする力強いメッセージが込められていた。
声明文の一部訳はコチラ。
「私は2人の息子を持つシングルマザーです。仕事を辞めるのは恐ろしかったし、これからどうなるのか不安でいっぱいです。でも、今年は多くの女性たちが勇気を持って、前に出てきて真実を語りました。女性たちが重要な問題について沈黙を破りました。私たちの声なしに、どうやって変えるべき問題を呼びかければいいのでしょうか? 平等とは何かを私たちが示さなければ、次世代の少女たちのためにより良い社会は作っていけないと思います」
オスカー女優も称賛
キャットの勇気ある行動に対して、オスカー女優のジェニファー・ローレンスが「共有してくれてありがとう」という言葉とともに自身のフェイスブックに、キャットの声明全文をシェア。
ジェニファーは、2015年に男女のギャラ格差についてつづったエッセイを執筆しており、男性共演者よりギャラが少なかったことについて当時の心境を語るなど、賃金格差について積極的に意見を述べてきた。
そんなジェニファーのほかにも、『X-MEN』のオリヴィア・マンが「女性の視聴者が多い放送局で、キャットが男性の半分しか価値がないと思われていたなんてがっかり」と、憤りを表すコメントをキャットの声明文に返信。
『オデッセイ』のジェシカ・チャステインも、自身のツイッターで「本当にがっがりだわ。こういう企業は女性が平等に払われるべきだといつ理解するの?同僚男性の半分しか支払われないなんておかしい」とつぶやき、キャットを支持した。
この一連の出来事についてE!エンターテイメントはPeople誌に、「E!は、従業員に対して、性別に関係なく、平等に、また役割に基づく相応の補償をしています。キャット・サドラーさんの貢献に感謝するとともに、今後の活躍をお祈りいたします」とコメントを残した。