60人以上の有名女優たちからセクハラを告発され、集団訴訟を起こされている「ハリウッド映画界のドン」ハーヴェイ・ワインスタインが、訴訟に対する反論としてオスカー女優たちの発言を利用。これに、本人たちが憤りのコメントをした。

「女性を威圧」していないと反論

 アンジェリーナ・ジョリーなどのセレブを含む女性たちから、30年間にも及ぶセクハラ行為が告発されるも、全面否定しているハーヴェイ・ワインスタイン(65)。

画像: 「女性を威圧」していないと反論

 そんな彼が、自身に対する集団訴訟の取り下げを求める書類を裁判所に提出したのだが、そこで有名女優たちの発言を都合よく引用して批判にさらされている。

 ハーヴェイの弁護団は、人気女優のジェニファー・ローレンスの「いつだって親切に接してくれた」という言葉を引用。

 さらに、大御所女優メリル・ストリープの「ビジネス上の関係においてつねに私に敬意を払ってくれた」という、ハーヴェイのセクハラが告発された時に発表した声明の1文を引用して、女性たちを不当に扱ったという訴えに反論。訴訟を取り下げようとしている。

 ほかにも、ハーヴェイから1994年にセクハラを受けたと告発した女優のグウィネス・パルトロウが1998年の映画『恋に落ちたシェイクスピア』に出演した点も例としてあげ、グウィネスが“自ら選んで”出演したため女性を不当に扱っていない証拠になると主張した。

画像: 映画『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したグウィネス。

映画『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したグウィネス。

メリルやジェニファーが反応「情けない」

 ハーヴェイのこの反論に対して、発言を引用されたジェニファーとメリルが声明を発表。厳しい言葉でハーヴェイを批判した。

 ジェニファーは、「ハーヴェイ・ワインスタインと彼の会社は、いつも都合のいいように引用する。これからもそう。これは他人を利用する人がすることです。止めなければいけません」と語り、続けて、「個人的にはハーヴェイから被害を受けていないけど、私は彼からセクハラを受けた女性たちを支援するし、民事訴訟でも刑事訴訟でも彼が処罰されるために闘う女性たちを称賛します。タイムズ・アップ(※)」と語った。
※セクハラが野放しにされていた時代の終わりを告げる「Time’s Up(タイムズ・アップ)」は、セクハラ撲滅を訴えるムーブメント。

画像1: メリルやジェニファーが反応「情けない」

 メリルも発言はビジネス上の関係について語ったものだとし、「(発言を)多くの女性を威圧していない証拠として利用するのは、都合のいい搾取であり情けないこと」とコメント。

 加えて、「彼がしたことは犯罪行為であり、彼自身の責任です。彼のなかに少しでも正義が残っているなら、被害者のために償うべきです」と語り、いまだセクハラの事実を認めないハーヴェイを批判した。

画像2: メリルやジェニファーが反応「情けない」

ハーヴェイが両女性に謝罪

 自身を弁護するはずが、火に油を注いでしまったハーヴェイ。メリルとジェニファーからの反論を受け、広報を通してこう声明を出した。

 「今回の件に対してメリル・ストリープとジェニファー・ローレンスに貴重なご意見を頂けたことに感謝すると共に、謝罪いたします」

 そして、裁判所に提出した書類にかかれた著名人の名前を削除するとともに、今後は特定の名前をださないようにするとした。


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