映画史に残るサイコパス「レクター博士」
『羊たちの沈黙』
ある連続殺人事件の捜査を担当したFBIの訓練生クラリスは、捜査に行き詰まり、元精神科医の人食い殺人鬼ハンニバル・レクターに助けを求める。面白がるレクターは、捜査に協力する代わりにクラリスの過去を知るという条件を出す。

映画史でもあまりにも有名なレクター博士で一度見たら忘れられないほどの怪演を見せたアンソニー・ホプキンスは、アカデミー賞主演男優賞を受賞。サイコホラーの金字塔とも言える本作は、終始ハラハラで緊張感たっぷり。
羊たちの沈黙 The Silence of the Lambs 1991
www.youtube.comトラウマ級の名作中の名作
『時計じかけのオレンジ』
舞台は近未来のロンドン。主人公のアレックスは仲間を引き連れて夜な夜な暴行やレイプ、強盗などに明け暮れる日々。そんななか仲間に裏切られて、刑務所に投獄されるも、ある洗脳の治療法の実験台にされることに…。

アレックスが「雨に唄えば」を歌いながら女性をレイプするシーンはトラウマレベル。強烈な暴力の描写が問題になった本作だけれど、テーマは「非暴力」。現代社会にも通ずるあらゆる問題を、鬼才スタンリー・キューブリック監督がスタイリッシュな映像で描く。
A Clockwork Orange (1975) Official Trailer - Stanley Kubrick Movie
www.youtube.com人間の心理を突いた衝撃の実話
『es [エス]』
ある実験をするために集められた男性20人。2つのグループに分けられた彼らには「看守役」と「囚人役」という役割を与え、2週間模擬刑務所で過ごすことに。最初は全員冗談交じりだったけれど、看守役の暴力がエスカレートしていき…。
![画像: 人間の心理を突いた衝撃の実話 『es [エス]』](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783100/rc/2018/02/26/20ce01a53dd381ad833472028570c967451dfa78_xlarge.jpg)
じつはこれは、1971年にスタンフォード大学で実際に行われた心理実験を基にしている。「どんなに善良な人でも役割を与えられることでどんな残虐なこともできる」という結論に至った実験を描いた今作は、まさに人間の狂気がむき出しになった衝撃作。
『es [エス]』 日本予告篇
www.youtube.com逸話だらけのホラー映画の最高峰
『シャイニング』
冬の間閉鎖されるホテルを管理することになった作家志望のジャックは、妻と子供を連れてホテルにやってくる。しかしそのホテルでは、過去に精神が異常になった管理人が家族を惨殺するという事件が起きていた。ジャックはそんな異様な空気に飲まれてしまい…。名監督スタンリー・キューブリックがメガホンを取った、数々の逸話がある映画史に残る名作。

たった1シーンでもこだわりが強いキューブリック監督。なんとジャックが斧でドアをぶち破って妻を殺そうとするシーンだけに3日かけたという。さらに主演を食うほどの迫真の演技を見せた妻役シェリー・デュバルも、このシーンでは127回も撮影し、ギネスブックに載った。
The Shining Trailer
www.youtube.com呼吸さえも許されない状況
『ドント・ブリーズ』
強盗を企てた若者3人が選んだ家は、大金を隠し持っているとウワサの老人の家。しかしその老人は目が見えない元軍人で、どんな音も逃さない驚異的な聴覚を持っていた。何者かが入ってきたと分かった老人は、家の明かりを消して彼らを家に閉じ込める。果たして彼らは脱出できるのか?

この映画の見どころは、この老人に見つからないように、息さえもできないという切羽詰まった状況。鑑賞中はなぜかこっちも音を立てないよう意識してしまうほど。そして、思わず笑ってしまうほど最強すぎる老人にも注目。
映画 『ドント・ブリーズ』 予告
www.youtube.com女同士の嫉妬も頂点にいくと…
『ネオン・デーモン』
エル・ファニングと『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督がタッグを組んだ今作は、モデルを夢見てファッション界に飛び込み、だんだんと毒々しい女性に変貌していく美女ジェシーを中心に、彼女を取り巻くモデル仲間の嫉妬、内に秘めた野望が渦巻くサイコスリラー。女性の美に対する追及が頂点を超えた時のラストはあまりにも衝撃的。

監督が色覚障害を持っているからこその、コントラストの強い映像美、そしてサンローランやフェラガモなど名だたる有名ブランドが衣装協力したファッションも見所。
『ネオン・デーモン』本予告
www.youtube.comカップル鑑賞は危険な“ホラー”映画
『ゴーン・ガール』
幸せな生活を送るニックとエイミーだけれど、結婚5周年の日にエイミーが失踪し、自宅から血痕が発見される。警察に捜査を求めるニックだけれど、警察はニックに疑いの目を向けることになり、メディアも巻き込む事件へと発展してしまい…。

映画『セブン』で知られるデビッド・フィンチャーの作品は「ネタバレ禁止」のものが多く、今作も話が二転三転する先が読めないストーリーに。サイコスリラーの要素はあるものの、どこか現実的にも感じてしまうのも怖さもあり、多くの男性が「女って怖い」とビビるため、カップル鑑賞は極めて危険。
映画『ゴーン・ガール』予告編
www.youtube.comもはやコメディレベルの狂気
『アメリカン・サイコ』
ウォール街の証券会社に勤め、婚約者も愛人もいるイケメンエリートのパトリックは、誰もが羨む生活を送っていた。しかし彼には、人を殺さずにはいられないという「殺人鬼」というもう一つの顔を持っていた。

滑稽さを表現した、友人同士で名刺を見せ合うバトルシーンはあまりにも有名。「無関心」をテーマに社会風刺をユーモアたっぷりに描いた今作では、レオナルド・ディカプリオと競って主役の座を手に入れた「カメレオン俳優」と言われるクリスチャン・ベイルの不気味な演技も見所。
映画「アメリカン・サイコ」日本版劇場予告
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