銃規制を訴える動きが活発化
今年2月14日、米フロリダ州にあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で生徒や教職員17名が死亡する銃乱射事件が発生。容疑者の元生徒ニコラス・クルス(19)が犯行に使った銃は、昨年2月に同州内で合法的に購入したものだった。
以前からアメリカ全土で銃規制を求める声が上がっていたが、この事件をきっかけにその動きが活発化。目の前で友人らを失うこととなった同高校の生徒たちをはじめ、選挙権を持たない若者を中心に「銃を必要としない社会を作ろう」と訴える声が多く上がっており、ソーシャルメディアなどを使った活動も次々と発足。
そんな銃規制推進の流れを受けて3月24日に開催されることが決まったのが、アメリカ全土で行われる大規模な抗議デモ「March for Our Lives(命のための行進)」だ。
フロリダの銃乱射寺事件の被害者が立ち上げた「Never Again(二度と繰り返さない)」運動と、銃暴力対策を掲げる市民団体「エヴリタウン・フォー・ガン・セーフティ」が共同で行う今回のデモでは、議会で銃問題が話し合われる前に、今あるすべての問題が解消されるような法案の提出を求めることで一致している。
セレブも参加を呼びかけ
一般の人たちだけでなく、セレブのあいだでも「March for Our Lives」への参加を表明する声が続々と上がっており、米CNNによると人気シンガーのアリアナ・グランデ、マイリー・サイラス、デミ・ロヴァート、そしてジェニファー・ハドソンが参加することがわかっているという。
また、俳優のジョージ・クルーニーや映画監督のスティーブン・スピルバーグ、人気司会者オプラ・ウィンフリーは銃規制デモの活動支援としてそれぞれ約5,500万円を「March for Our Lives」に寄付。シンガーのジョン・レジェンド&モデルのクリッシー・テイゲン夫妻も約250万円を寄付するなど、金銭面での支援も相次いでいる。
シンガーのジャスティン・ティンバーレイクは、ワシントンD.C.の市長と一緒に「March for Our Lives」のPR動画に登場。
そのほかに、以前から銃規制を訴えているシンガーのジャスティン・ビーバーや、活動休止中のワン・ダイレクションのメンバーで現在はソロとして活動するハリー・スタイルズら人気セレブも自身のSNSで「March for Our Lives」へのサポートを表明。
Help these kids and sign their petition now —> https://t.co/HKhLQ8zqSc
— Justin Bieber (@justinbieber) March 3, 2018
I just signed the @AMarch4OurLives petition, and you should too. Hhttps://t.co/elVhLe0zWb
— Harry Styles. (@Harry_Styles) 2018年3月2日
デモに参加するかどうかはわかっていないが、SNSを通じて銃規制に賛成する署名にサインするよう人々に呼びかけている。
これまでとの違いとは?
銃規制を求める動きは以前からあったが、これまでと決定的に違うのは選挙権を持たない子供たちが子供たちの命を守るために声を上げているということ。
また、銃規制反対を訴え続けている全米ライフル協会(以下NRA)にも今までにない影響が出ている。銃乱射事件の被害者たちの必死の呼びかけもあってか、これまでNRAとなんらかの取引があった企業がNRAとの関係を断ち切ることを次々と表明。米デルタ航空やユナイテッド航空は、NRA会員に向けた割引特典の中止を発表するなど、「NRAボイコット」の動きが加速している。
3月24日の抗議デモは首都ワシントンD.C.ほか全米各都市で開催が予定されており、銃規制を訴える抗議集会としては過去に例を見ない大規模なものになることが予想される。