全店舗が閉店
事の発端は、現地時間の4月12日に、米ペンシルベニア州フィラデルフィアのスターバックスの店内で、2人の黒人客が逮捕されたことから。
この店舗で1人の黒人男性が何もオーダーせずに店内にいたという理由でスタッフが警察を呼んだ。しかしこの男性は、友人が来るのを待っていたために何も頼まなかっただけだった。それにもかかわらず、警察はこの男性と友人の2人に手錠をかけた。
この一部始終を撮影した動画が、ツイッターで拡散されたことから、スタッフの人種差別的な行動をバッシングする声がスターバックスに殺到。抗議運動が行われるまでに発展した。
この事件を受けて、現地時間の16日に米スターバックスコーヒーのCEOであるケヴィン・ジョンソンがニュース番組『Good Morning America』に出演し、手錠をかけられた2人の男性に謝罪した。
CEOの謝罪から一夜、公式HPにケヴィンが声明文を発表。全米にある8,000店舗以上の店舗が5月29日の午後に閉店し、本社と正規店舗の従業員約175,000人に対して人種の偏見を見直すトレーニングを行う事を発表した。
偏見を取り払うトレーニング
誰もが歓迎され、安心してスターバックスに足を運んでもらえるようにするために、無意識のうちに思い込んでいる偏見を取り払うためのトレーニングをするのだという。
このトレーニングをすることで、スターバックスだけではなく、社会で起こる人種差別を含む、あらゆる差別問題を地域レベルで解決できるようにするのが目的だと、声明文で語られている。
米スターバックスコーヒーは、2015年に人種差別の撤廃を訴えたキャンペーンを行い、黒人コミュニティを中心に人種問題を話し合う場を設けた。
そんななか、皮肉にも今回の事件が起こってしまった。
この日の閉店で推測される損失は、20億円以上にものぼる。