テレビ・タイムなし
娯楽とは無縁だった幼少時代
イスラエルの小さな市ロッシュ・ハアインで、体育教師の母とエンジニアの父の長女として誕生。両親の教育方針でテレビなどの娯楽が制限されていたため、幼少期のほとんどを外で遊んで過ごしたという。一方で、当時から注目されたがりな面があったそうで、本人は「注目されるのが好きだったの。だからといって、女優が向いているとは夢にも思わなかった」と語っている。
「テレビの時間はなかった。『このボールを持って、近所の子たちと遊んでおいで』と言われていたわ。母はいつも体を動かす活動を勧めてくれたから、私が体と良い関係が築けているのも、全身を使って表現することができるのも、そのおかげかもしれない」
―ガル・ガドット、ESPNにて
モデルのオファーを蹴って
バーガーキングの店員に
10代に入ると地元でもガルの美しさが話題となり、モデルのオファーが入るように。しかしガルは、モデル業には興味ゼロ。と言うのも当時ダンスに夢中で、振付師になりたかったから。そんなガルが選んだ仕事が、なんとバーガーキングでのアルバイト。モデルをする代わりに、ファストフード店でレジ打ちを始めた。
「身長が(178センチと)高かったから、10代の頃はモデルのオファーをたくさんもらったわ。でも私はダンスに夢中だったから、お金をもらうためにポーズを取るなんてくだらないって、モデル業を見下してちゃってたの」
―ガル・ガドット、The Jakarta Post紙にて
ミス・イスラエルに出場し、
まさかの優勝!
高校を卒業したガルは、母のプッシュもあり、ミス・イスラエルを決める大会に出場。本人は“ネタになるから”程度の思いで出場したものの、なんと、まさかの優勝。もともと優勝するつもりがなかったガルは、イスラエル代表になったことに大パニックに。国内での注目から逃れるためミラノに半年ほど逃げ、そこで少しだけモデル業に挑戦。この偶然が、のちに女優への扉を開くのだが、この時のガルは知る由もなく…。
「こう思ったの。『やってみよう。ヨーロッパに行かせてもらえるし、お婆ちゃんになった時に孫にお婆ちゃんはミス・イスラエル大会に参加したんだよって言えるし』ってね。まさか優勝するなんて、夢にも思わなかった」
―ガル・ガドット、米Roling Stone誌にて
ミス・ユニバース大会で
わざと負けようとする
腹を決めて、イスラエル代表としてミス・ユニバースに出場したガル。ただ、ここでのガルの目標は、審査に落ちること。美人コンテストが肌に合わず、ミス・ユニバースとしての責任も負いたくなかったガルは、わざと遅刻したり、ドレスコードを破ったりして、最終的にベスト20圏外という、本人としては大満足の結果で大会を終えた。
「ミス・イスラエルとして優勝した時、18歳の私は『どうしよう⁉』と思ったの。(中略)だからミス・ユニバースでは絶対に同じことが起きないように、遅刻はするわ、毎日ジーンズを穿いて正装しないわと、めちゃくちゃだったわ。質問された時には、『英語喋れません』を使ったわね(笑)」
―ガル・ガドット、『トゥデイ・ショー』にて
イスラエル国防軍に入隊
美しい兵士として雑誌が特集
イスラエルでは男女共に兵役義務があるため、ミス・ユニバース大会を終えたガルは、イスラエル国防軍に入隊。3ヵ月の過酷なブートキャンプを経て、戦闘トレーナーとして約2年従軍した。ガルはここでもその美しさが話題になり、米Maxim誌の「イスラエル国防軍の女性たち」という特集にビキニ姿で登場。これは当時、イスラエル国内で物議をかもした。
「どの国も軍隊を必要としない世界になればいいのにと本当は思っている。ただイスラエルでは、軍役に服すことは国民の一部なの。私たちには国に返す義務がある。人生の2~3年を費やして、自由を手放すの。そこでは規律と尊厳が学べるわ」
―ガル・ガドット、Glamour誌にて
法律を勉強するために大学へ
しかしある人から電話があり…
2年の軍役を終えたガルは、法律を学ぶために大学に入学。すると1年目を終えた頃に、モデル時代のエージェントを通してボンド・ガールのオーディションの話が舞い込む。結局は落ちてしまうのだが、これが女優への好奇心を引き立て、ガルは、「受かったら休学して演技に挑戦する」と決めてイスラエルの昼ドラの出演枠に応募。2ヵ月後にはその番組に受かり、ガルの女優としての扉が開く。
「当初は『法律と国際関係の勉強をしてるから、(演技なんて)無理です』って言ったの。女優にしては、マジメすぎるし、脚本は全部が英語だったから。英語は喋れたけど自信はなかった」
―ガル・ガドット、W誌にて
『ワイルド・スピード』
ファミリーに仲間入り
イスラエルの昼ドラに出演し始めてからわずか3ヵ月後、ガルに大チャンスが訪れる。それが、映画『ワイルド・スピード MAX』のオーディションのチャンス。これに見事合格したガルは、シリーズの4作目~7作目に連続出演。ガルはファミリーの一員となり、『ワンダーウーマン』で大成功した時には、『ワイルド・スピード』の共演者たちが一斉にSNSで彼女を祝した。
「監督が私を気に入った一番の理由は、私がイスラエルで軍役経験があったからだと思う。武器に対する私の知識を使いたかったんだと思うの」
―ガル・ガドット、The Schmoozeにて
しかしハリウッドは甘くなく
女優引退を考えていた矢先…
『ワイルド・スピード』でハリウッドデビューを果たしたガルだけれど、業界は、そう甘くなかった。その後はなかなか思うように大きな役が決まらず、女優業を引退して大学に復学することを考え始める。しかし心が折れかけていたそんな矢先に、ワンダーウーマンの役の話が舞い込む。最後の力を振り絞ってオーディションに挑戦したガルは、これに見事合格。ガル・ガドットことワンダーウーマンが誕生した。
「手に入りそうで入らないカメラテストの連続で、これ以上無理かもって思っていたの。(中略)ザック・スナイダーからカメラテストをしたいって連絡があって、また期待して拒絶される繰り返し?って思ったわ。(中略)数日後にザックからワンダーウーマンって言われた時には、『行きます』って答えた(笑)」
―ガル・ガドット、『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジミー・ファロン』にて
『ワンダーウーマン』起用効果
色々なジャンルの映画に出演!
ガルがワンダーウーマンに起用されたことは、瞬く間にハリウッド中でウワサになり、ガルは彷彿絶倒のコメディに挑戦した『Mr.&Mrs.スパイ』や、ライアン・レイノルズと共演したサスペンス映画『クリミナル 2人の記憶を持つ男』などに出演。アクション以外にも、演技の幅を広げていく。
「女優になることも計画外だったし、ワンダーウーマンになるなんて思わなかった。でもそれが実現したことにとても感謝しているし、すごく幸せで、自分の仕事が大好き。今はすべてを楽しんでいるけど、本当に何が起きているかしっかり理解するまでには時間がかかりそう」
―ガル・ガドット、People誌にて
『ワンダーウーマン』公開
記録を塗り替える世界的ヒット
2017年、ついに映画『ワンダーウーマン』が公開。世界興収は800億円を突破し、女性監督の作品として初週・累計収入ともに歴代1位となるメガヒット作品と化した。さらに、女性を主人公にした映画が世界的ヒットしたことは、世界中で吹き荒れるフェミニズム旋風を後押しする形にもなり、映画はエンターテイメント性だけでなく社会的にも重要な価値のある作品となった。
「女の子にとっても、男の子にとっても、憧れることができる強い女性ヒーローがいることはとても重要なことです」
―ガル・ガドット、ツイッターにて
時の人と化したガルに
ブランドからオファー殺到
ワンダーウーマンとして世界的な名声を手に入れたガルをファッションやビューティー業界が放っておくわけがなく、化粧品ブランドのレブロンや、スポーツブランドのリーボックが、次々と彼女に広告塔の契約をオファー。リーボックに限っては、その契約料は10億円以上とも言われている。
「ありのままの自分を称えて。ワンダフルになって。愛を拡散して」
―ガル・ガドット、インスタグラムより
最も影響力のある100人に選ばれる
ワンダーウーマンとして世界中に与えた影響を認められ、2018年度のTime誌の「最も影響力のある100人」にランクイン。リストに選ばれた著名人には他の著名人が綴った紹介文がつくが、ガルの紹介文を書いたのは、1970年代のテレビ版でワンダーウーマンを演じたリンダ・カーター。彼女はガルを、「高貴で、パワフルで、ワンダーウーマンを見事に再現しました」と称えた。
「こんなに素晴らしい人たちと一緒にこのリスト入りすることができて、とても光栄です。そして愛にあふれた力強い言葉を贈ってくれたリンダ・カーターに感謝します。あなたは私のクイーンです」
―ガル・ガドット、インスタグラムにて
『ワンダーウーマン』続編
2019年に再びスクリーンへ
2019年11月公開予定の『ワンダーウーマン2』での続投が決定済みのガル。パティ・ジェンキンスが再び監督を務めることになっており、クリステン・ウィグがワンダーウーマンの宿敵チーター役で登場し、ドラマ『ナルコス』のペドロ・パスカルが重要な役で登場することが分かっている。撮影は2018年夏から。『スターウォーズ』続編と並ぶ2019年の最注目作品であり、来年もまたガル・イヤーになる予感がする。
『ワンダーウーマン』はTV初放送!
ガル・ガドット作品が5月22日(火)から特集放送
最新映画のテレビ初放送を多くおこなうことで知られるBS10 スターチャンネルが、5月25日(金)夜9時に『ワンダーウーマン』をテレビ初放送することが決定。
BS10 スターチャンネルではそれを記念して、5月22日(火)から<『ワンダーウーマン』TV初放送記念!ライジングスター:ガル・ガドット>として、ガルの出演する4作品が特集放送される。
アクションから、サスペンス、コメディまで、ガルの違う顔が見られる特集となっているので、ぜひチェックしてみて。
<放送情報>
『ワンダーウーマン』TV初放送記念!ライジングスター:ガル・ガドット
【STAR1 字幕版】 5月22日(火)~ 5月25日(金)夜9時~ 連日放送/5月28日(月)~5月31日(木)昼12時~ 連日放送(全4作品)
<放送作品>
『ワンダーウーマン』テレビ初放送
5月25日(金)夜9時~、5月29日(火)昼12時~
DCコミックスが生んだ最強女戦士の活躍を描くSFアクション。女性だけの島のプリンセスが、世界を救うべく外の世界へ旅立つ。
WONDER WOMAN and all related characters and elements © & ™ DC Comics and Warner Bros. Entertainment Inc.
『ワイルド・スピード MAX』
5月22日(火)夜9時~、5月30日(水)昼12時~
メガヒットカーアクションシリーズ第4弾。復讐に燃える凄腕ドライバーとFBI捜査官が、反発し合いながら謎の麻薬組織を追う。
© 2009 Universal Studios. All Rights Reserved.
『クリミナル 2人の記憶を持つ男』
5月24日(木)夜9時~、5月28日(月)昼12時~
ケヴィン・コスナーとゲイリー・オールドマン共演のスパイアクション。他人の記憶を脳に移植された男の壮絶な運命と戦いを描く。
© 2015 CRIMINAL PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.
『Mr.&Mrs.スパイ』
5月23日(水)夜9時~、5月31日(木)昼12時~
平凡な夫婦の近隣にスパイのカップルが引っ越してきたことで巻き起こる騒動を描く。
© 2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.