「テレビ化は難しいと思っていた」
1985年に出版された文学界の巨匠マーガレット・アトウッドのベストセラー小説『侍女の物語』をドラマ化した今作。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
環境汚染が原因で少子化が深刻化したギレアド共和国。妊娠ができる健康な身体を持つ女性は、家族、仕事、財産、そして人権をも突然奪われ<子どもを産むための道具=侍女>として上流階級の夫妻のもとに送り込まれることが法律で定められている。その恐ろしく異様な世界で、侍女として仕えることになったオブフレッド。侍女たちが行動を極限まで制限された監視下の世界で、どのように今を“生き抜く”か、オブフレッドの目線を通して力強く描く。
現実世界ではありえないストーリー設定から、司令官のフレッド・ウォーターフォードを演じたジョセフ・ファインズは「原作が一人称小説だったしテレビ化するのは難しいと思ったが、テレビがどういう風にオブフレッドと視聴者をつなげるのかとても興味深かった」「原作では、オブフレッドの複雑な心境のやり取りが2、3ページに及んで描かれる部分もあって、それが絶妙なバランスで成り立っている。そこで僕は『これをどうやって編集やカットがある映画やドラマにしていくんだろう』と思ったよ」と、当初は映像化の難しさを感じていたことを明かした。
“嫌われ役”を演じるということ
ドラマでは、人権を奪われた侍女を「子供を産む道具」として扱うなど、とても人道的とは言えない行為を繰り返す司令官フレッド。
そんな役作りでジョセフに大きな影響を与えたのは、やはり月に1度の儀式として映される性行為のシーン。
「忌まわしくて残酷で…。でもそれが原作に書かれているもので、それが司令官のマインドセットになる。彼は葛藤していて、でも権力がそれを堕落させている。結局そういった要素が女性を子作りに利用するような、男性主義的な司令官の思考になるんだけど」
侍女のオブフレッドを中心に、女性の強さやたくましさを感じることができる同作。シーズン1では、セクハラに抗議するMe Tooや、女性の権利向上を訴えるウィメンズマーチを思い起こすシーンなど、女性視聴者には共感できるシーンが数多く登場した。
一方、ジョセフ演じる司令官フレッドは、まさに「女性の敵」と言ったキャラクターのため、視聴者からの共感を得にくい。
そんなキャラクターについて、ジョセフは「フレッドと(視聴者)のつながりが多いと、主人公の冒険の妨げになってしまう。でも、視聴者がフレッドとの何かしらのつながりを見つけるためにできる僕の役割としては、彼の人間らしさを引き出すことかな。誤りを犯してしまったり、ギレアド共和国のためにした決断が失敗だったことに気づいたりするといった、人間らしいところに共感してくれる人もいるんじゃないかな」と、“嫌われ役”として視聴者と適度な距離感を保つことが大切だと語った。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン2がついに配信スタート
そんなジョセフが司令官フレッドを熱演する『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン2は、ついに日本での配信が始まった。
「シーズン2はギレアド共和国の生命と豊産について描かれる。司令官フレッドは子供が生まれることで昇格して社会の栄光を浴びることになるだろう」と語るジョセフ。シーズン1を超える緊迫のシーンの数々にハラハラドキドキせずにはいられない!
ちなみに同作は、9月に行われるエミー賞で15部門20ノミネートされている。
Huluプレミア『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の待望のシーズン2は、8月29日よりHuluで独占配信中。(フロントロウ編集部)