去年の夏にニューヨークで撮影が行われていた『ア・レイニー・デイ・イン・ニューヨーク(原題)』は、セレーナ・ゴメスやエル・ファニング、ティモシー・シャラメやジュード・ロウなど人気役者が勢ぞろいの注目作品だった。
公開中止の理由は?
撮影当時からすでに話題を呼んでいた今作が、公開中止になる可能性があると米Page Sixが報じた。今作を配給するアマゾン・スタジオは、「この映画の公開日は決まっていません」とコメントしている。
この裏には、監督のウディ・アレンに長年つきまとう性的虐待疑惑が。ウディには自身の養女に対する性的虐待疑惑があり、そんな彼がハリウッドで活躍を続けられていることには以前から懐疑的な意見があり、役者の間でもウディ・アレン作品に出演する・しない派で別れていた。
そんなさなか、今作の撮影が終わった去年の秋ごろからセクハラ撲滅運動の「Me Too」が激化。それをきっかけに、セレーナを始め今作の出演者や過去にウディの作品に出演した俳優たちに批判の矛先が向かった。
そのため、セレーナは自身の出演料を上回る額を、セクハラや性的暴行の被害者を支援する複数の団体に寄付し、ティモシーも出演料を全て団体に寄付したことを発表した。
しかしそれでも、ハリウッドでの「Me Too」の流れには逆らえなかったようで、『ア・レイニー・デイ・イン・ニューヨーク(原題)』は公開中止の方向に進んでしまっているよう。公開中止の損額は約25億円と報じられている。
これまで毎年1本ずつ新作を世に送り出してきたウディだけれど、この映画が本当に中止になれば、ウディの作品は2019年には1本も公開されないこととなる。(フロントロウ編集部)