大手モデル事務所と契約
脳性麻痺により車いす生活を送る17歳の黒人トランスジェンダー、アーロン・フィリップが大手モデル事務所のエリート・モデル・マネージメント(Elite Models)と専属契約を結んだことをツイッターを通じて発表。
i’m signed to @elitenyc! thank you so much for supporting me thru my journey to make the fashion world more inclusive. this hasn’t been easy, but we did it! i’m so excited & grateful to work hard and share this new chapter of my life with you all ❤️ pic.twitter.com/X7d05rS379
— aaron (@aaronphilipxo) 2018年9月1日
「ファッション界をより包括的な場所にしたいという私の夢を支えてくれた皆さんに感謝します。平坦な道のりではなかったけど、遂にここまでたどり着きました! これから始まる新たなチャプターへの期待に胸を膨らませています」と自身を応援してくれるフォロワーたちに向けて感謝を綴った。
ファッション界で活躍することを夢見て、11歳の頃からSNSを通じて自身のニューヨークでの生活ぶりなどを公開してきたアーロン。
インスタグラムが普及してからは、スタイリッシュなコーディネートの写真を披露するとともに、著名なフォトグラファーにダイレクトメッセージを送って自ら売り込み、フォトシュートをセッティングするなど、コツコツと努力を重ね、モデルへの夢に向かって一歩ずつ前進してきた。
そんなアーロンが、女優のキャメロン・ディアスやキルステン・ダンストがモデル時代に所属していたほか、世界モデル番付で5年連続トップの座に輝いたジゼル・ブンチェン、ランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレットの顔として長年活躍したアドリアナ・リマやアレッサンドラ・アンブロジオら、錚々たるトップモデルたちを輩出してきた超大手のモデル事務所と契約。
多様性が重要視される昨今、体形や人種、セクシャリティ、宗教観、身体障害など、これまでの一辺倒な「美の基準」を覆し、さまざまな“壁”を越えて活躍するモデルが求められるなか、ファッション界に新風を吹かせる存在となってくれるのではないかと人々の期待を一身に集めている。
モデルを志した理由
LGBTの視点から政治やポップカルチャーを見つめる米メディア『Them』に寄稿したエッセイの中で、アーロンは、モデルを志した理由についてこんな風に語っている。
「ファッション界をより多様性に富んだ開放的でアクセスしやすいものにしたいんです。これまで私は、身体に障害を持ったスーパーモデルや黒人でトランスジェンダーのモデルが世間から称賛され、祝福されているのを見たことがないばかりか、一般的なモデルたちと同じような機会を与えられたのも見たことがありません。そんな状況を変えたいんです」。
どんな障壁にも屈しない強さとひたむきさを持つアーロンは、時代の流れに合わせて移り変わるファッション界の革新をさらに後押しするアイコンの1人となり得るかもしれない。(フロントロウ編集部)