Revolveの「体型批判」スウェットが炎上
「デブは美しくない。それはただの言いわけ」
(Being fat isnot beautiful it's an excuse)
米時間の9月12日にショッピングサイトのRevolve(リボルブ)がサイトに公開した新作スウェットには、そんな衝撃的な言葉が並んでいた。
このトップスは当たり前のようにすぐさまネット上で炎上したが、じつはこれ、女性セレブたちがネット上で言われた心ない言葉をあえて使い、ネットイジメの撲滅を訴えたキャンペーン。実際に、上の言葉はプラスサイズモデルのパロマ・エルセッサーが言われた言葉である。
しかし今、このキャンペーンに参加した女性セレブたちが、Revolveが公開した写真に激怒する事態となっている。一体なぜなのか?
Revolveが広告で犯した間違いとは?
今回のキャンペーンは、Revolveでアイテムを販売するファッションブランドのLPAが、レナ・ダナム、エミリー・ラタコウスキー、カーラ・デルヴィーニュ、スキ・ウォーターハウス、パロマ・エルセッサーに声をかけて行ったネットイジメ撲滅キャンペーン。
この5人の女性セレブたちが実際にネット上で言われた心ない言葉を提供し、そのメッセージを通してネットイジメの深刻さを訴え、若い女性をエンパワーする団体Girls Write Nowに寄付をするはずだった。
しかし今回Revolveで商品の画像が公開された直後、参加者の1人であるレナがインスタグラムでこう怒りを爆発させた。
「数ヵ月前からRevolveを親会社に持つ友人のピアの会社LPAとコラボして、著名な女性たちがネット上で受けた誹謗中傷のコメントを使ったスウェットの制作を続けていました。若い女性たちが執筆やアートを通して自分をエンパワーできるよう支援するチャリティ団体に売り上げが寄付されるという、私にとってはとても重要な活動でした。
Revolveは私をはじめとした参加女性に相談することなく、そのスウェットを細身の白人女性に着せました。インターネットでは人と違うことや個性が批判されるということや、多様性の欠如が問題の大きな一部(というか、問題の根底)であるということを考えずに。
こうなった今、私はこのコラボを支援することも、このコラボに自分の名前を使うこともできません。私は今でも、ピアがLPAのために行ってきた活動をリスペクトして愛しています。ただ、業界の“標準”ではないボディや経験が持つ多様な美しさを称えるためにネットのイジメっ子の言葉を再利用するという今回の繊細なコラボレーションに対する、Revolveの扱いには失望しました」
「この地球上における私の目標は、アートと対話によって女性をエンパワーすることです。今回、発言を提供してくれた女性たちに感謝すると同時に、私たちの言葉が尊ばれなかったことに落胆しています。その代わり私は、今回私と共に不当な扱いを受けた女性たちが選ぶチャリティに寄付することにしました。Revolveも私と共に貢献してくれることを願います」
今回のキャンペーンは、体型批判といった、女性たちがネット上で受けた誹謗中傷のコメントをスウェットにプリントして売り上げを女性向けのチャリティに寄付するというポジティブなもの。
プリントされる言葉が衝撃的なだけにキャンペーンに隠されたその意図が伝わることが大事なのだが、Revolveは独断で、体型批判が描かれたスウェットを細い白人モデルに着せてサイトに公開。これでは、細身の女性がそうでない女性の体型を批判しているように見えてしまい、キャンペーンの本来の意図が伝わらない。さらに、多様なボディシェイプを称えるキャンペーンでファッション業界の標準体型であるモデルが使われたことにも疑問が投げられている。
この件を受けて、Revolveがこうコメントを発表した。
「Revolve.comに時期尚早に公開されてしまった写真はキャンペーンの意図を反映していなかっただけでなく、アイテムが持つボディポジティブなコメントを反映していないサイズのモデルが使われてしまいました。このキャンペーンに関わったすべての人々、とくに、レナ、エミリー、カーラ、スキ、パロマ、そして顧客の皆様、さらにコミュニティ全体に謝罪します」
サイトから商品の画像を削除したRevolveは、同時に、約220万円をチャリティに寄付したという。
世間で広がる多様性を求める声。大手ファッションサイトがこの流れに賛同してポジティブなキャンペーンを行ったが、問題に対する理解不足のせいで炎上という結果となってしまった。(フロントロウ編集部)