主演映画『ア・シンプル・フェイバー』のプロモーション活動中の衣装は「スーツのみ」と決めているらしく、ドレスやスカートなどは一切着用せずに、連日マスキュリンなスーツばかり着用している女優のブレイク・ライブリー。
場面によって趣向を変えたさまざまなスーツルックを披露しているブレイクだけれど、世間にはそろそろ彼女のフェミニンな姿を見たいと思っている人も少なくない。
そんななか、ある有名ファッションブロガーがスーツ姿ばかりのブレイクのチョイスに辟易したかのように「これはブレイク・ライブリーが『ア・シンプル・フェイバー』のPRのために着用した1356着目のスーツです。今回の1着はラルフ・ローレンのピンクのカスタムスーツです」という皮肉めいたコメントを添えてブレイクのスーツ姿の写真をインスタグラムで紹介。
すると、この投稿を目ざとく見つけたブレイク本人がこんなコメントを投げかけた。
「プロモーションツアー中にもし男性がスーツばかり着ていても、きっと何も言わないわよね? じゃあ、何で女性はダメなの? …なんて、ちょっと言ってみただけ。女性のみなさん、ダブルスタンダード(※)はやめましょうね」
※二重基準。性別などの対象によって異なった規定を持つこと。
「男性が連日スーツを着ても何の指摘も受けないのに、女性である自分が毎日スーツを着たら意見されるというのはおかしい」とサラリと問題提起したブレイクの持論に、皮肉コメントを投稿したブロガーは即座に自らの過ちを認めて謝罪。「プロモーションツアー中はスーツだけを着るというアイディアは名案だし、どのルックも素敵だった。あの数字は、ただジョークのつもりだったの。でも、面白くなかったわよね。ごめんなさい」と返すと、ブレイク本人から自虐ジョークも交えた納得のコメントが返って来た。
「愛しかないわ。みんながみんな私のコーディネートを気に入ってくれるとは思ってないし、色んな意見が上がるのがファッションの醍醐味でしょ。ジョークに失敗してしまったときの気持ちはよく解る。私だってたまに同じようなミスをしちゃうから。女性たちが男性たちが当たり前のようにしていることを、からかわれたりすることなく普通にできるようになることを願ってる。ファッションみたいな物質主義の分野においてもね。まずは誰かが始めることが肝心。みんなの意見が大切だよね」
ブレイクが今回のプロモーションツアー中にスーツばかりを着ることに決めた背景には、作品との関連性ももちろん、性別による既成概念を覆したいという大きな野望も秘められていたよう。
フェミニズム運動が活性化している近年、女性のパンツスーツ姿は強さの象徴としてとらえられ、セレブたちの間でもレッドカーペットなどであえてドレスの代わりにスーツを着用するのが流行となっている。
Aリストセレブなのにスタイリストを雇わず、自らの審美眼で選ぶスタイリッシュな着こなしが好評のブレイク。確かにたまには彼女のドレス姿も見たいと思ってしまうけれど、今はブレイクと一緒に彼女のスーツルック・コレクションを存分に楽しむべき! (フロントロウ編集部)